大富豪同心の12冊目です。
前回活躍場面がなかった美鈴が大活躍します。
前の巻の坂上家について、山流しの沙汰が下り、これを回避するために暗躍する英照院派の刺客を仕留めるべく甲州への旅路を行く話しです。
しかし、敵方は江戸で雇った刺客コンビニ加えて甲州街道でも刺客を募って八巻一行を挟み撃ちにしようとします。
対する八巻方は由利之丞を囮に立てて一方を引き付けて置いて、八巻と荒海の親分で先行して待ち伏せ方を仕留めます。
p199
(なんという膂力!)
美鈴は指に痺れを感じた。打ち払った相手の刀が巨石を打ったかのように重かった。
(こんな化け物とまともには斬り合えぬ)
これは甲州街道で御用手配となっている羽佐間甚九郎との立ち合いです。
p276
しかし、そこで浪人が見たものは、川を流れてきた丸木の上にいったん飛び下り、丸木を踏んで、こちらに躍りかかってくる美鈴の姿であったのだ。
これは江戸で雇われた浪人の岩田との立ち合いです。
川の堰を切って中州で丸太や水が押し寄せてくる中での死闘です。