ゴジラ像のある映画館です。
今年初めての映画館でしたが、これを観たいというターゲットがなくて、仕方がないのでドラえもんでも見ようかと思っていたのですが、前夜になって朝一回だけ本作がやっているのが判り、最近CMで好感度アップ中の松田るか主演ということもあって、頑張って早く出発して見てきました。

結論から言えば、最高でした。
90分しかないローカル邦画ですが、非常に良い脚本。松田、浅野(父)、堀内敬子(母)の3人の熱演で、エンドロールでは大いに落涙しました。
母が病気で亡くなった晩に飲み歩いていて母からの携帯着信に気付かなかった父。その父を許せず島(伊江島)を出て東京へ出た気の強い娘。「島を出た娘」というモチーフが、なんか「トゥルーカラーズ」と重なる部分もありました。
娘に帰ってくるように根気強く手紙を書き続け、帰ってきたら港で迎え、翌朝から毎朝、痴呆症で入院している父の見舞いに誘う父の会社の大番頭のKジョージの演技が、これまた非常に味があって最高でした。
母の最期の誕生日にサプライズを仕掛けて発作を起こさせてしまった父と会社の面々を正座させて、「お母さんの病気のことを一番考えなきゃいけないのあんたっしょ!」と父を怒鳴り付ける美花。反論しようとするKジャージに「あんたが二番!」と鎧袖一触。

この気の強い娘が、母が存命中に父との大事な思い出を忘れたくないから全部日記に書いておいたからと言うのを思い出して母の日記を捜すシーンが転換点。そして、母の日記に従って父と母の一番大事な思い出を再現することで、痴呆症の父に認識させようと皆でいわばリアル再現ドラマを一生懸命に演り始めます。工場でやった結婚式から始まって、最後は父が一目ぼれしたという母の「かなさんどー」を唄う姿を見せた所で、父は娘に向かって「町子ぉ(母の名前)」と呼び掛けてくれます。
松田るかの「かなさんどー」を唄っている場面で終劇です。

劇中で父が娘に伊江島タッチュー(伊江島の戦いの表紙)の由来を説明するシーンがあるのですが、説明されて納得する娘に母は言います「なんねー、美花は信じたのかい。嘘さぁ」と。騙されたと知って怒る松田るか。とにかく全編ハイテンションで怒りまくりなのですが、それにも関わらずすごく可愛らしく魅力的に映っています。一見の価値あります。

監督の照屋年之って誰かと思ったら、ガレッジセールのゴリなんですね。脚本も本人だそうで、そうかこんな素晴らしい作品を作れる才能の持ち主だったかと驚愕しました。「ちゅらさん」のゴーヤーマンのお兄さんというイメージが強いのです、個人的には。
