ジャッカルの日:無題を見る

 ついに最終回まで来ました。

 率直に言って、割と殺伐とした最終回であまり琴線に触れませんでした。なので、今回は画像なし。

 ジャッカルはともかくもUDC暗殺に成功したのでクロアチアを脱出しようとしますが、国境各所は既に検問が敷かれており、前回、検問で引っかかって要らぬ殺しをしてしまったこともあり、キャンプ場に行って老夫婦のキャンピングカーに潜り込みます。

 夫人はどう考えても怪しいと思い、背中を向けたジャッカルに後ろから果物ナイフで襲い掛かります。ジャッカルは振り向いて夫人を撃ち殺します。これを受けて夫も襲い掛かって来て揉み合いとなり最終的に夫も射殺します。やむなく電子レンジに細工をして簡易時限爆弾にして、立ち去ります。

 これまでもジャッカルが無辜の人を殺す場面は再三ありました。しかし、それらは達成困難な使命の成就に必要なステップだったので、それなりに止むを得まいと思えました。しかし、今回は自分が逃走するためだけで、以前のブダペストタクシードライバーのように殺さずに済ませるのではないかと思ってみていました。実際、本人はそのつもりだったかと思うのですが、夫人に刺されてしまい止む無く殺人に至ります。止む無いとは言え、非常に共感しにくく、これが殺伐感の大きな原因となっています。

 ビアンカは、捜査打ち切りを命令するイザベルに対して辞表を叩きつけてMI6を辞めます。しかし、外務大臣はイザベルに対して、彼女にジャッカルを始末させろ、そして我々が彼女を始末する‥と指示します。イザベルはビアンカに捜査再開を指示します。

ビアンカカディスの狙撃がジャッカルの仕業とにらんでカディスに赴き、狙撃現場に同席していたヌリアの兄のアロンゾの素性を訪ねます。すると、彼が5分と同じ仕事を続けられないにも関わらず、最近は金に困っていなかったと聞き、妹の旦那が金持ちらしいということまで把握します。

 かくてビアンカとヴィンスは、ヌリアの家を見張ってジャッカルが戻ってくるのを待ち伏せます。

 ジャッカルはヌリアに電話しますが、電話を切ったヌリアは、どうも事態がきな臭くなってきたことを察知して息子を連れてジャッカルの現金を持てるだけ持って空港へ向かいます。

 ビアンカはその様子を見て、「あれはジャッカルとランデブーするのではなく、ジャッカルから逃げているのよ」と看破し、ヌリアを追わずにジャッカルを家で待ち伏せます。

 ジャッカルはクロアチア・バードツアーに紛れ込んで国境を越え、なんとかスペインに戻ってきます。しかし、辿り着いた家にはヌリアも息子もおらず、逆にMI6の待ち伏せを受けます。

 しかし、勝手知ったる自分の家の中での銃撃戦はジャッカルに分があり、ビアンカの額に赤外線マーカーが輝いたのを見たヴィンセントはビアンカを突き飛ばしますが身代わりに被弾して死亡します。

 例の隠し部屋に潜んでいるジャッカルと、待ち伏せていたビアンカが扉一枚隔てて向かい合う緊迫のシーンを経て、ジャッカルは「君は勝てない」「この結末に満足しているよ」と告げて、ビアンカを後ろから射殺します。

 かくて、ビアンカは命を失い、結果として夫と娘を失いました。ジャッカルはUDCを倒しましたが、ヌリアと息子を失いました。

 UDCを仕留めたジャッカルに対してクライアントは残額の支払いをしません。代わりにエージェントのジーナに対してジャッカルを処分するように指示します。

 ジーナは今までの額の2倍をクライアントに請求し、その上でクライアントの情報をジャッカルに売り、「仕事の手数料の踏み倒しは許さないわよね」と挑発しますが、ジャッカルは「今は人を探しているんだ」と、クライアント暗殺の話しには乗りません。

 UDCのパートナーは、「リバーのパブリッシュは延期する」という公式記者会見を開きます。結果として、ジャッカルを雇ってまでリバー阻止を強行しようとしたクライアントの狙いは成功し、巨悪は滅びません。

 ロンドンでのヴィンスとビアンカの葬儀、二人の上司のオシの所にイザベルが来て「次の長官はわたしに決まった」と告げます。オシは「それを今日の弔辞で言えますか?」と返し、葬儀場に向かいます。

 なんと言うか主要人物は誰も幸せになれないドラマでした。まぁ、そういう因果な商売の人ばかりではあるのですが‥。

 結局、ヌリアだけが息子を連れて逃げ延びることに成功したのですが、彼女もカディスには二度と帰れないでしょうし、失ったものは大きいでしょう。

 MI6側ではイザベルだけが出世しますが、多くの部下(ブダペストの二人から始まってビアンカまで)を失って得た長官の座に枕を高くして眠れるとは思われません。