千葉会:エア&アーマー:ヴュルツブルクを対戦プレイする

 提督さんにお声掛けいただき、140ページほどの和訳ルールをいただいて、二週間かかって必死に読み通して対戦してきました。

 既にあちらこちらでコメントされているので、ごく簡単にまとめます。

 ウェストエンドの初版をデザイナー本人が完全リメイクした新版です。今回はシリーズ化される模様で、第一作はヴュルツブルク。第二作はフルダ峡谷とのことです。

 前作は戦術的作戦級での現代戦ゲームとして、リアクションあり、砲兵支援が重要で、それを妨害する電子戦も重要という作りで、WW3がWW2とどう違うのかを表現しており、大いに評価できました。

 今回は、それよりもさらに踏み込みました。WPとNATOのドクトリンの違い、装備の違いをプレイに反映するため、シークエンスから全面的に見直してあります。

 WPはターン開始時に、どの連隊にどういう命令を出すかを決めて編成表の各連隊の枠に命令チットを裏返しておきます。活性化手順になると、これを公開して、その命令に従ったアクションを実施します。

 対するNATOは、そのような縛りがなく活性化手順が来ると、任意の編成に、任意の命令を与えてアクションします。

 これはNATO軍の方が、その指揮資源を下層の司令部に手厚く配分して、下層編成で能動的に反応できるようになっていることを反映しています。

 WPは逆で指揮資源を上級司令部に集約しており、下層レベルで臨機応変な判断をするような意図がない組織なのです。その代わりに、WPの方が兵員数が多く、衝撃力に勝っています。

 アクションでは、偵察し、移動し、要すれば敵がリアクションし、防御射撃します。それを解決してから攻撃側は攻勢射撃します。どちらの射撃にも砲兵部隊の支援砲撃を要請できます。

 また、砲兵が砲撃すると位置が特定され、それに対して対砲兵射撃を実施できます。

 本作の射撃解決では、原則としてユニットの火力を合計してから最後に半分にします。それに対して、閉鎖地形(森林、町、都市)からの防御射撃は2倍になるというボーナスがあります。なので、閉鎖地形にいる敵を攻撃すると損害が嵩み、損害を受けて減少した戦力でしか攻勢射撃できないので効果が非常に出にくいのです。

 基本的には、ユニットの攻撃力を合算して半分にして出た値にダイスを振って±3の範囲で修整を与えたものがヒットとなります。これをターゲットユニットの防御力で吸収します。攻撃力と防御力には大きな違いがないので、半分にされてしまう都合でお互いにそれほど当たりません。なので、砲兵支援が重要な役割を担います。ただ、砲兵は防御力が低く、対砲兵射撃を受けると一撃で粉砕されてしまうので、どこで投入するかが大問題です。

 しかし、NATOのMLRSは、ワルシャワ軍の榴弾砲をアウトレンジ出来るので、自分は撃たれない所から一方的に対砲兵射撃してくるので、これがWPにとっては頭痛の種です。

 と言ったような具合なのですが、以下、恒例により画像を並べて簡単にコメントします。

 マイン川沿いを進撃する東ドイツ第4自動車化師団です。

 この時期の戦いではWP軍のユニットが赤系列でないのは、個人的にはかなり違和感あります。西ドイツ軍かと思ってしまいます。

 WP側の編成表。3個連隊とも最初のターンは行軍命令です。行軍命令では全移動力で道路移動を利用できます。

 反対側を向いているのは敵のNATO軍。接敵が近づいてきて、そろそろ行軍から、急攻命令に切り替えようかという時期です。

 いよいよ準備攻撃命令が発動され、目標ヘクスにオブジェクティブマーカーを置いて攻撃します。

 ユニットの本当の戦力は、最上部のユニット能力に下に置かれたステップ数を乗じて算出します。NATO軍のユニットがたくさんいるように見えますが、接敵してみるとどれもこれも1ステップしかない、ペラペラの紙のような戦線です(NATOプレイヤーの自称)。

 しかし、攻勢射撃支援砲撃を投入しないと、そんな戦線でも容易には抜けないのです。なぜ支援砲撃を投入できないかと言えば、アウトレンジから対砲兵射撃してくるMLRSが睨みを利かせているのにビビっているからです。

 5ターン目の終りまでプレイして、WP側に若干の損害が出た程度で時間切れ終了となりました。うーん、シナリオ1の初期攻勢でこんな調子では先が思いやられます。