高校野球の都合で定期枠でない放送が相次いで、録画失敗の嵐を築きました。
8月3日は、関西棋院の秘密兵器、田中五段がベテラン柳九段を倒したのだそうです。解説はベテラン小松九段だったそうです。

8月10日は、井山王座が、かつて本棋戦決勝で二度やられた関西棋院の結城九段と対決。解説は村川九段。
村川先生は前任の星合さんとも解説のリズムがあっていましたが、安田さんとも良い感じでした。安田さんもいつもより熱心に石を並べていて好感を持てました。
碁の方は、ツケ引き定石が3か所もできて、そこからの開きをどちらが打つかの駆け引きから意外な力戦になり、そこからは最後まで捩じりあうことになり、途中からは白の結城九段がずっと苦しく、苦しいが故に無理をして、また苦しくなるという展開で投了。
8月17日は好青年、平田八段が、令和三羽烏の一角、許家元九段を倒したのだそうですが、これも録画失敗。これは見たかったので、残念無念。解説は本木九段だったそうです。

8月24日は、勢いのある福岡七段が伊田九段を倒しました。伊田先生が上座なので名古屋収録。名古屋解説者難の中、誰がと思いましたが。ギャグが寒い中根九段の解説でした。
ただ、今回の中根先生の解説は、なかなか良かったです。
この碁では上辺の連絡が不確かな白が、右上隅に手をつけていき、上辺をすごく薄い形で渡ろうとした時に黒が強硬にツケコシていき、遮断。黒も目がなく攻め合い模様となり、まさかの石塔絞りが出現。
黒が二子にして下がり、抜き跡に放り込んでいきましたが、そこで白が石塔の上部分を見捨てるというギョッとする展開に!
これについて、中根解説者は、黒は絞る過程で3子を捨てているので、そこに白地が3目あるのと同じなのです。そうすると、ここで上を捨てても5目の損害でしかないので、大きな問題ではないという判断なのでしょうと‥。なるほど、それは明るい判断だと驚きました。
「わたしなんかは、こんな重要な種石がもらえたら終わっちゃうと思うんですが、AIは効率で詰めて考えるので、こういうのもありなんですね」
「わたしもAIと初めて打ったころに、その効率の良さに凍り付き(効率き)ましたけどね」と、新ネタの駄洒落に。
この後も「ボウシって良い手が多いんですよね。打たれるとハットするんですよ、帽子だけにね」というのも披露。
安田さんは苦笑いしつつも付き合っていましたが、この駄洒落の量産の背後にも研究があるのだという本人の言説を聞いて少し見直しました。かんべむさしの「集中講義」みたいですが‥。
碁の方は福岡君がAI推奨の上記の石塔を見捨てる手段あたりで一気にリードを広げて、伊田九段を投了に追い込みました。

8月31日は、一力棋聖に藤沢女流本因坊が挑戦。
これは人気棋士同士の対局で、ゴールデンカードでした。
ただ、往々にして期待が大きすぎて、こういうのはイマイチだったりしますが、例に漏れませんでした。
藤沢が四隅を獲って、徹底的に地合いで先行する作戦。結果として、一力棋聖が外勢を張って大模様を展開。前半戦では上辺から左辺へと斜めに横断する大模様が焦点に。藤沢は上辺に踏みこんでいきますが、左上と分断されて、それぞれを凌がなければならなくなり苦戦に。上辺をしっかり生きて態勢を立て直しますが、上辺がいじめられた加減で今度は右辺から下辺に掛けての大模様が出現。これが纏まっては足りないので、上辺から下辺へ進出して値切りにいきましたが、切断され、黒模様の中での凌ぎとなりました。この辺りでAI評価は一力90%レベルになりましたが、黒は確定地がないので富士田解説者は「本当にそんなに良いのですかね?」と首を傾げていました。確かに凌ぎが強く凌ぎ側ノリのAIが模様側の勝勢を判定するのは珍しいですね。
しかし、AIの判断は意外なほどに正しく、藤沢の大石が仕留められて投了図となりました。まだ、打ち込んで追いかけられはじめたりする前からAIが圧倒的に黒ヨシという判断を出したのには驚きました。周囲の黒の厚さでは打ち込んでも凌ぎ切れないという判断が、打ち込む前から正確に出るのだとすると、やはりAIおそるべしです。