
画像はオフショット。
なんだかんだで、とても良い将軍様だった真島秀和、美人の2号さんの高梨臨。
右はここ2回、怪しい挙動が目立った映見くららさんです。
前回最後の「利根川が決壊しました!」からです。
天明の洪水は、独立したウィキ項目があるほどの大事件で、江戸時代の利根川水系の水害でいちばん規模の大きなものだったそうです。これを読むと、遠因として浅間山噴火の火山灰流入で川床が浅くなっていたことが挙げられており、噴火>米不足>水害と繋がっていることがわかります。
それにしても「栗橋から南は海」って、すごいですよね。そりゃ、深川辺りが水浸しなのは当然です。
栗橋付近って、利根川から中川と江戸川が分岐する水運上の重要拠点で、ここで決壊すると両支流の下流は水に飲まれてしまうわけです。深川は隅田川沿いですが、旧中川の一本西に当るので、ここらへんの洲はみんな水の底だったんでしょうね。
日本橋の蔦重の店では、一階の書籍を二階に上げる垂直避難です。
深川の新之助の長屋の辺りには二階などないので、まともに水を被って食料も全滅です。蔦重は自身の店もありますが、深川はもっとひどいと聞いて、おていにも勧められてこっそり米をもって見舞いに行きます。幕府のお救い米は出ましたが、米不足で既に放出した後なので、量はそれほどなく行き渡りません。
蔦重はみんなに渡せるほどはないので、「これはお口きんちゃくで」と注意しますが‥。
例によって時間経過を出すための場面転換で幕閣。田沼が提案して採用された「貸金会所令」がこのタイミングでスタートしてしまい、市井では非難轟轟です。
幕閣に入ったばかりの松平定信は、田沼に対して同令の即時凍結を求めます。
折から将軍、家治は不調を訴えており、最近なかむつまじい知保の方は、見舞いに栄養のあるものをと、大崎(映見くらら)の勧めで醍醐を作って献上します。
ところが、醍醐を食してから家治の不調はさらにひどくなります。知保の方は、醍醐の作り方になにか不備があったのかと大崎に問いかけますが、大崎は「そのようなことは二度と口になさりますな。醍醐作りに関わった者の首がいくつ飛ぶか判りませぬぞ」と口止めします。思いっきり怪しいですよね。
この件について家治と意次が会話し、やはりあの男(生田斗真)が怪しいという話しに。田沼は彼の意図が判らないと言いますが、それに対して家治は
「あやつは天になりたいのよ。人の命運を操り、将軍の座を決する天になりたいのだ。そうすることで、将軍などさほどの者ではないと笑いたいのであろう。将軍の控えに生まれついた、あの者なりの復讐であるのかもしれぬな」
で、エピソードタイトルが「我が名は天」なんですか。それはこの台詞が出てくるまで見当もつきませなんだ。
にしても、「花子とアン」で醍醐さん役をやった高梨が醍醐を作るのは、脚本家の遊び心でしょうか。
閑話休題。
松平康福(相島一之)は、田沼の献策である印旛沼干拓、貸金会所令が相次いで失敗するのを見て、水野忠友に、「そろそろ田沼派と見られるのを考え直した方が良いのではないか‥」と相談します。勢いのある定信に付いた方が保身を図れるという算段です。
かくて田沼は登城禁止とされ、さらに蝦夷地の件も印旛沼同様に中止になるかもと告げられます。
田沼はついに覚悟を決めて自ら辞表を出して老中を辞めてしまいます。
さて、深川に戻ります。
新之助が日雇い仕事から帰ると自宅近辺に人が集まって騒いでいます。家に入ると、おふく(うつせみ)が惨死体となって倒れており、息子のとよも殺されていました。
おふくが乳を分けていた女が、おふくだけ乳の出が良いことから「あそこの家には米がある」と推察して、その夫が空き巣に入り遭遇して殺されてしまったのです。
再度幕閣です。
将軍家治はますます容体が悪化しています。
西の丸に遺言のように「田沼を重用する様に」と告げますが、既に田沼が辞任したことは誰も伝えません。
最後に家治は列席していた一橋に死力を振り絞っていざり寄り、その襟を掴んで言います。
「よいか、天は見ておるぞ、天は天の名を騙る驕りを許さぬ。これからは余も天の一部となる。余が見ておることを、ゆめゆめ忘るるな」
どちらかと言えばアグレッシヴではない家治のこの苛烈な物言いにも一橋は動揺することなく、「誰かと間違っておられるようだ」と冷ややかに言い捨てます。
御殿医が脈を取り、「お亡くなりになりました」と告げて一同平伏。