べらぼう 第32回 新之助の義 を見る

 幕閣からです。

 松平定信の勢いが増し、ついに老中に推挙されました。その対策を密談する相島一之と、富永愛。定信の推挙を受け入れる代わりに、意次の謹慎を解いてもらうことで妥協します。

 これにより雁の間詰めの一大名として登城するようになった意次は、その前の廊下を通る老中を呼び止めて献策する形で幕政へのかかわりを取り戻します。原田泰造などは、「裏の老中首座」になったと単純に喜びますが、幕府の失策が批判を受けた時のトカゲのしっぽ要員ではないかと意次自身は喜べません。

 定信の老中就任にあたって、高岳は、将軍様のお身内は老中になれないという古い定めを持ち出します。一橋はそんなもの破れば良かろうと強弁しますが、紀州様(高橋英樹)に「見苦しい」と一喝されます。

 田沼派は、紀州様の力添えを受けて自派の阿部を老中の一角に送り込むことに成功し、定信の独走を食い止めることができました。

 さて、庶民の暮らしに戻ります。大阪の堂島でついに米の値段が大台に乗り、とても市民には買えない水準となりました。これに対する不満は非常に強く、足元の大坂から米屋の打ちこわしが始まり、これが東海道を東へと進んできます。

 蔦重は、打ちこわしが起こってから解決するより起こらないようにすることが大事と、意次と接触してお救い米が出る期日を約束してもらい、これを読売りで触れ回って、なんとか「そこまでの辛抱だ」と下町の者たちに説き続けます。

 しかし、白河藩の米を出すと約束した定信は、出す努力はするが期日に間に合わないことも起こるかも知れないと、のらりくらりと米放出を遅らせます。

 かくて期日になっても米は配られず、下町の血の気の多い者たちは打ちこわしの準備を始めます。蔦重はなんとか止めようとしますが、お救い米の約束が破られたことでもはや蔦重の言葉に信用はなく、長い付き合いの新之助ですら聞き入れてくれません。

 しからばと、蔦重は打ちこわしはしても、盗みや人に危害を加えることはしないで、米屋との喧嘩ということで進めてくれと言い、新之助もお縄になるものが出ないようなやり方が良いと同意してくれました。

 そして、江戸城下で打ちこわしが始まった所で終劇ですが、その中に丈右衛門だった男が紛れ込んでいて不穏な空気を醸し出しています。