茨城会:バロニィを対戦プレイする

bqsfgame2016-03-28

千葉会、茨城会で、精力的に新作ユーロゲームを持ち込まれていたmoritaさんが異動されることになった。
今回の茨城会は、その送別会を夜に予定していた。折角の最後の機会なので、moritaさんの卓に途中から混ぜていただいた。
そこでプレイさせていただいたのが、新作の「バロニィ」。
筆者は2戦目に参加させてもらったのだが、1戦目の参加者からランダム要素も秘密プロットもない「ディプロマシー」という感想が出ていた。そんなものが成り立つのか‥と思ったが、なるほどそれに近いイメージの秀作である。
基本的には、エリア拡大系のマルチなのだが、騎士を動員して送り込み、村を形成し、都市にアップグレードし、村の形成時に手に入る資源トークンで爵位を購入していくだけのゲームである。これで、ほとんどのルールは言いつくされている。
各プレイヤーは、1アクションずつを実行していくのだが、1アクションの規模は小さく、言ってみれば「塵も積もれば山となる」系のゲームの一つ。一回ごとの手番での展開が小さいので差が見えにくいのだが、気が付くと逆転不能な大差になってしまうというヤツである。
プレイ感としては、スプロッターの「ローズアンドボーツ」に近いと思うが、本当に細部まで完全情報ゲームである所が、彼の作品以上に徹底している。
ルールは簡単なので小学校高学年でもできるが、勝つのは難しい。結局の所、「他人の思惑」しか乱数要素はないのだが、それさえも「最善を尽くすなら、こう来るはず」と読める範囲にある。
後は形勢判断して、トップを引き下ろすための連合作戦みたいなものまで読み切るかどうか。ただ、大差が付きにくいシステムなので、数手先を読むと、途中でトップ目が入れ替わってしまうので、最善策がそこで最善でなくなったりする。そんなこともあって、結局、終盤は完全には読み切れなくなっている。
今回は、Sinymgさんが優勢、moritaさんが追う展開。筆者は僅差の3位にいたが、爵位を買う手順が不足している都合で、まずSinymgさんの勝利フラグを阻止しに行くのが必然に。結果としてmoritaさんのキングメーカーになるかと思ったのだが、4位の人が今度はmoritaさんの勝利フラグを止めに入ったので、結局、Sinymgさんが勝利。実は、もう1ラウンドあると、筆者がさらに逆転できていたので、勝つタイミングはそこしかないという非常に鋭い筋での勝利となった。
moritaさんは囲碁に近いというが、筆者はあまり囲碁には似ていないと思う。位の取り方とか、手数の応酬する読みなどは将棋に近いと思う。
いずれにせよ完全情報ゼロ和ゲームに近いプレイ感のマルチであることは間違いなく、一日に二回できるけれども、やりたいかどうかは微妙な感じだろうか。見掛けより、かなり重い。