茨城会:When Lions Sailedを対戦プレイする

かねてから準備してきたミランダ大先生の話題作をついに対戦してきた。
今回は3人プレイで、YGさんがイギリス、提督さんがオランダ、筆者はスペインを担当した。
どんなゲームでもそうだが、実際にセットアップして動かし始めてみないと判らないことと言うのは多い。ルールはルールブックを読んでおけば判るが、初期の戦況はマップにユニットを並べてみないと実感することが難しい。
ざっくりと整理すると、
オランダは、アジアに多くの植民地を持っており勝利得点で先行している。ただし、「アジアに」と言うのが問題点なのだが、これはシステムの所で後述する。
イギリスは、植民地的には出遅れている。しかし、優秀な艦船を建造できるポテンシャル(ユニットプール)を有しており、その優秀な艦隊でどのように出遅れを取り戻すか自由な選択肢を持っている。言い換えれば、このゲームはイギリスの出方でストーリーラインが決まってくるように思う。
スペインは、中米に植民地を持っており現在キャッシュフローが潤沢である。これは特にターン数の短いプレイでは重要な意義がある。ただし、イギリスとは反対にユニットプールが貧弱であるため、潤沢な資金を持ってもそれを強力な艦隊に結び付けられないと言う悩みがある。

主要なゲームシステム

このゲームは、確かにウォーゲームなのだが、かなり独自色が強い。
まずゲームマップは世界地図になっており、ヘクスではなくスクエアで規定されている。ユニットの主力は艦隊であり、地上部隊はそれによって輸送され上陸戦闘を実施したり、拠点防御を実施するだけの存在である。
このゲームは経済性が非常に強い。各植民地港には、土地の特産物を満載した艦隊が毎ターン発生する。プレイヤーは、これを自軍の艦隊で支配して植民地港から本国港へと護衛して輸送することで主要な収入を得る。つまり、ゲームの中心にあるのは植民地交易である。
この植民地交易ゲームであることをベースにして、新たな植民地を確保したり、他人の植民地を奪ったり、海上で他者の護衛する輸送船を拿捕したりすると言うウォーゲームなのだ。
その意味ではヘクスマップの陸戦ゲームとは、およそ共通するところの少ない非常にオリジナリティの高いゲームである。

いつものミランダの

ミランダの古代から近代に掛けてのゲームと言えば、ストラテジムマーカーと言う特殊なアクションを可能にするマーカーを利用するシステムが特徴的である。
本作でも名称こそキャンペーンマーカーと変わっているが同じものが登場する。
経済性の強い本作では、キャンペーンマーカーはオークションで入手することになり、その機能は航海や外交に関わるアクションマーカーと、戦闘で使用する戦闘マーカーの2種類がある。
(つづく)