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エイリアンシリーズ6作一挙放送の中核作品です。
「プロメテウス」が良かったので期待して見ましたが、それが悪かったでしょうか。かなりガッカリしました。
全般的な感想として、話しが判りにくすぎます。録画で見て、必要に応じて巻き戻してチェックして、そう思いました。これは、劇場では全然着いていけないかもです。

6部作の中間を後から作るという問題

本作の問題として、前日譚である「プロメテウス」も後日譚である「エイリアン」も既に存在していて、後から間を埋めようとしていることがあります。ですから、物語としての整合性を取るのがすごく難しくなっています。
中心的な謎は、「エイリアンは、どのようにして誕生したか?」です。

生態学的に不安定な存在

エイリアンは、生物種として見て非常に不安定な印象を受けます。人間よりも強く生態系の頂点にあるとすれば、その個体数は非常に少なくないとバランスしません。第1作では良かったのですが、第2作以降で群れになって出てくると、こんなに居たら人間が滅びてしまうじゃないかと思います。
その一方で、成長変態過程で宿主が要だとすると、宿主になる種を滅ぼしてしまっては自分も存続できない訳です。この両者は矛盾しています。
それにも関わらずエイリアンが、ここまで進化してきたとすれば、以下のように考えられます。
誰かが、適切な量の宿主をコンスタントにエイリアンに供給し続けたのではないか‥。
それが、本作で描かれるエイリアン進化発生の答えになります。
そういう意味で論理的に出来上がっているのですが、その答えを前後の作品と整合させた形で、なおかつ本作が単独の映画作品として見栄えがするように提示するのは、非常に難しい問題です。
結果として、「出来上がったものは、努力は買える」ものの完成度は褒めにくいと思いました。