GWに入ったので頑張って見てきました。
日比谷シャンテです。前週まで日比谷TOHOでやっていたのですが、この日から移っていました。シャンテ分のチケットもTOHOの4Fで買うものだと思い込んでいたら、違うのですね。購入メニューに出てこなくて焦りました。
シャンテ館(向かいのシャンテデパートに非ず)の1階で購入して4階のスクリーンへ。
迷った都合で開演時間を過ぎましたが本編直前には着席できました。
オープニングはコーナーに詰められた相手の目線でストンピングを連打してくるフリッツ・フォン・エリックの白黒映像。この画角はプロレス中継でも近年はあまり見ません。怖い!
主役は兄弟思いの長男(実は次男)のケヴィン。
まずケヴィンだけがデビューしていて、ジノ・ヘルナンデス、ブルーザー・ブロディ組を相手にシークレットパートナーと組んでタッグマッチ。この試合のトレイラーを撮るのですがマイクアクションが上手くないケヴィンは失敗を繰り返します。見ていたデヴィッドが、「ボクが変わってやろうか? でも、それじゃあシークレットパートナーじゃなくなっちゃう」。そうデヴィッドのデビュー戦なのです。
当日の会場で開場直前にブロディが、「コーナーに振られたら大人しく叩きつけられろ、そこに俺がタックルするからそれを避けて」、で、ケヴィンが「俺がコーナーポストに上ってクロスボディでフィニッシュする」と決着シーンの打合せをします。
この後でケヴィンのサインを求めてくるカワイコちゃん役のリリー・ジェイムスが、素っ気なくサインだけするケヴィンに、「社交的じゃないのね」「せめて、『名前は?』とか『一杯のまない?』とか言えないの」と手厳しい。ケヴィンがその通りに鸚鵡返しすると、彼の腕をとってバーへ。
バーで、パム(ジェームス)が「フェイクなんでしょう?」と聞くのに、「真剣勝負さ」と答えます。まぁ、そう答えるものと決まっています。するとパムは考えて言葉を選んで「pre-arranged ?」と再質問。上述の通りで、まさにその通りなのですがそれは判っていても言わないお約束。
エリック兄弟は説明的なセリフがなくても、だれが誰だか判る程度には似ています。
相手のレスラーも、ブロディや、フリーバーズのような判りやすいキャラはさすがに一見して判ります。途中でケヴィンと組むマッチョがいるのですが、見たときはポール・オーンドーフかと思いましたが、帰りの電車で考えるに、この時期はWWFでホーガンと戦っているはず。そうすると、レックス・ルーガーでしょうか。
ハーリー・レイスや、リック・フレアーは重要人物なのでそれなりに一目瞭然。部分的に本人映像を繋いでいるのかと思いましたが、どこがそうかと指摘できるほどには判りませんでした。
この辺、リアルタイムでプロレスを見ていたので、ストーリー的にデヴィッドが日本で客死するのや、ケリーが自死するのは承知してみていましたが、兄弟愛の映画の中で見せられると、やはり辛いものがありました。
ケリーがWWF入りしてインターコンチネンタル王座を獲得するシーンは、当時映像かと思いましたがミスターパーフェクト(カート・ヘニング)の背中が映りました。
家族愛の人ケヴィンの視点で一家の呪われた歴史を見るので終始つらい映画ですが、いちばん幸せだった頃はケヴィンがパムと結婚した場面です。
兄弟全員で踊るのですが左からデヴィッド、マイク、ケヴィン、パム、いちばん右の顔を伏せてしまっているのがケリーです。
最後はジェリー・ジャレットに団体を売って店じまいする所までやりました。
エンターテイメントとはとても言えないので、あまりお薦めしませんが、プロレス史的には非常に考証はちゃんとしていました。
特に前半部分では、NWA世界チャンピオンというものの格が非常に高かった時代の空気が感じられました。