三国同盟戦争をソロプレイする

bqsfgame2008-09-18

雑誌の付録ゲームと言うのは入手した時が旬で、そのときにプレイしないと次の号とかが来てしまうと埋もれてしまう。と言うことで中南米が盛り上がっている内に頑張ってやってしまうことにした。クロノさんに和訳が公開されていたのが大変ありがたかった。
本ゲームにはいくつか特徴的な部分がある。
1)消耗ルールが非常に激しく、補給路が設定できないデメリットが大きい、しかも鉄道や大河川に隣接しているところまでしか補給が通じない
2)1ターンが半年もあるので、移動フェイズ1回に対して戦闘フェイズが3回もある
3)スタック制限が26ユニットと非常に大きい
と言ったところだろうか。
1の都合で、戦闘部隊が配置されて交戦する領域は、パラグアイ=アルゼンチン間の大河川沿いと、パラグアイ=ブラジル間の鉄道沿いの2領域に実質的に限定され、その戦場は補給路と両側の2ヘクスの3ヘクスの幅ということになる。
そして、1に加えて3の事情があるので、狭い正面に密度の高い部隊が並ぶことになる。この状態で1ターンに3回の戦闘フェイズを戦って削りあっていくと言うことになる。

率直な感想

過酷な環境の南米中央部での戦争の実態を学習するヒストリカルシミュレーションとしては、非常に興味深いと思った。
しかし、競技ゲームとしての面白みという点では物足りなく感じた。上述した通り戦闘正面が狭いので機動の妙味などは薄く、誰がやってもなるようにしかできない印象を受ける。
パラグアイ側の勝利条件がアルゼンチンへの先制攻撃の成功にあるため、パラグアイはアルゼンチン方面へ主力を前進させることになるだろう。このときに、ランダムイベントであるアルゼンチン内部でのメンドーザの反乱が起こると、アルゼンチン軍は兵力を大幅に引き抜かねばならなくなり、これがいつ起こるか次第なところが大きい。
三国同盟側はブラジル側から圧力を掛ける間接アプローチと、アルゼンチン側にブラジル軍増援を展開する直接抵抗のバランスをどうするかというのが問題。
結果としてパラグアイは何処でアルゼンチン攻勢によるサドンデス勝利を断念して防御態勢に転換するかがカギとなってくるという感じだろうか。
その意味では戦略的な意思決定を強いるシチュエーションが提供されており、つまらないというわけでもない。
しかし、二本しかない戦闘路で一次元の戦いを二つ並行してやっているようなプレイ感は、その意思決定の醍醐味をもう一つ色褪せたものにしているように思う。
もっとも北アフリカ戦のように一次元の戦いを一つだけやっているようなプレイ感のゲームでもエキサイティングになり得るのだから、これがつまらないと決め付けるのは早計に過ぎるのかも知れないが。