追加された新要素雑感

バルログ:個人的には指輪物語の中の一番のご贔屓。彼がモリアの坑道から出る機会が得られたのは素晴らしい。フィギュアの出来はイマイチだと思うが。なによりゲーム序盤にウイッチキングの代わりに+1アクションダイスをもたらすのが素晴らしく、戦闘でのダイス修整も凶悪。フリーピープル諸国が参戦に近付くくらいの副作用は恐れず迷わず投入だと思う。
エント:特別ルールでのフィギュア化で、従来のエントカードを差替えて新ルールで運用する。意義は二つあって、アイゼンガルド以外にも仕掛けられるようになったことと、なによりフィギュアになったことだろう。フィギュアの出来はグー!
ウムバルの海賊:今回は実戦に登場しなかった。それほど強いとは思えないが、サウスロンによる海上輸送による長駆のノース襲撃と言う戦略的オプションを生じさせてマップの平穏区に新たな意義は与えていると思う。フィギュアはグー。
ヅンランド蛮族:エントが従来より強力になった印象があるので、サルマン側の応援に彼らが出てきたという感じだろうか。寄せ集めで打たれ弱くはあるが、木を切り倒してウルクハイを作るとエントの怒りを買うので動員することはあり得ると思う。今回は登場しなかった。フィギュアは並み。
ガラドリエル:今回はスムーズに白のガンダルフが出てきたので出番なし。サウロン陣営のスローミニオン作戦に対抗する新たな選択肢としてエルフの参戦を急いでガラドリエルで+1ダイスを得る道筋があるというのは意義はありそう。フィギュアの出来はショボショボ。
要塞兵器:攻城塔と投石器。大一番の包囲戦にこれが両軍に並ぶと雰囲気があるのは確かだと思う。ただ、プレイを少しスローダウンしているかも。BGGにある指摘で鋭いと思ったのは、この導入で攻城戦の展開が比較的バラ付かなくなり予想しやすくなったというのがある。ただ、どちらかと言うとターン数が長引く方向、プレイ時間も長引く方向であり、必ずしもなくても良い気もする。もっとも新イベントカードに関連するものがあったりするので、入れるときには一通り入れてしまうことになるのだが‥。
スメアゴル:良いスメアゴルが登場し、それを犠牲に切ってしまうと、悪いゴクリとなって着いて来て悪さをするという‥(^_^; 映画の強烈なスメアゴル/ゴクリ像を良く捉えたルールだと思う。バランスとしてどうなのかは判断が難しい。
全体として言えることは
1)史実と異なる展開や戦略の余地を広げている
2)個人的な印象としてはサウロンの軍事行動はスローダウンしたように感じられるが、以前はサウロン側が有利に感じたので適切な方向のような気がする
と言ったところだろうか。ただ、運用の仕方次第では強烈な作戦もありそうな気がする。特にバルログやエントは、史実と違う大活躍の余地があるような気がしてならない。もちろん展開次第ではあるが。とまれ史実をなぞるゲームから一歩踏み出したことは確か。
最初にルールを読んだ時はたいしたことのない拡張と思ったが、元ゲームが十分にヘヴィーなのでこれで十分。特にフィギュアが増えた点はジオラマ趣味な向きには堪らないと思う。
画像は中盤戦。右手前はミナスティリスの包囲戦。サウロンのシエージタワーが建設されている。左中央はファンゴルンからアイゼンガルドへ突撃するエントの行軍が見える。その向こうにモリアのバルログがいる。