○拷問者の影を読む

bqsfgame2006-11-29

ジーン・ウルフの「新しい太陽の書」四部作。先日、地元の古本屋で4冊揃って売っていたので急遽購入。つい最近、復刊されたばかりらしい。
ネタバレになるが粗筋を。
主人公セヴェリアンは、拷問者組合の徒弟。ある時、彼は偶々だが反逆者ヴォルダスを助けることになった。その後、彼は拷問者の徒弟として成長していくが、ある時、ヴォダルスの情夫の姉妹であるセクラという高貴な女性が送られ来る。彼女の処分はなかなか決まらず、その期間にセヴェリアンは彼女と恋に落ち古い書物に語られている様々なことを教えてもらう。しかし、最後には彼女はヴォダルスについて知っていることを話させるために拷問に掛けられることとなり、その苦しみを終わらせるために彼女の自殺を助けたことでセヴェリアンは拷問者組合を破門されることになる。
彼は刑吏として辺境に赴任することとされるが、その赴任に当ってギルドの長老から名剣テルミナスエストを与えられる。その剣を持って旅したところ、剣を狙った陰謀に巻き込まれる。拷問者のマントを隠すための古着を買いに入った店で近衛騎兵隊長に果し合いを申し込まれてしまったのだ。
決闘の方法はアヴァーンという異世界の毒を持つ鋭い剣のような花を用いる。先ずその花を手折るために、植物園へと行くのだが、そこは箱庭に見えてその実は様々な異世界と通じているらしい。そこへは古着屋の娘、アギアが案内してくれたが、そこで今度は新たにドルカスという記憶喪失の娘と出会うことになる。アヴァーンを最後には手に入れた主人公は血染めが原へと向うが、その手前の旅籠で謎の手紙によりアギアが実は裏がある女性であると言う情報を手に入れる。決闘では一旦はセヴェリアンは相手のアヴァーンを受けて倒れたかに見えたが、世間の常識に反してアヴァーンでは彼は命を失うことはなく決闘に勝つことができた。相手は命を惜しんで逃げるが結局は掴まってしまう。
彼は臨時の刑吏として慣例を破った決闘相手の処刑を担当することになるが、相手は実は古着屋の主人であるアギアの兄であり、彼とアギアは二人で組んでテルミナスエストを奪うために一計を案じたのであった。また、二人は盗品らしい調停者の鉤爪という宝石を主人公に一旦預けて後で始末して取り戻そうとしていた。しかし失敗に終わったため宝石は主人公の手元に残った。
処刑を終えて宝石を隠した後、再び旅に出た主人公はタロス博士とバルダンダーズらの芝居一座と遭遇し芝居に引き入れられてしまう。しかし、この一座と離れて再びペルリーヌ尼僧団を探して主人公は別の旅を始める決意をしているのであった。