ATO誌10号の付録ゲーム。
このゲームにはメインシナリオが2本付属している。一つはヒストリカルシナリオだ。しかし、史実では抵抗を侮っていたロシア軍が市街戦で大敗を喫している。そこで、ロシア軍がもっと準備していたらというイフシナリオが付属している。
定期購読者向けの拡張デサントは、このイフシナリオにさらに精鋭空挺部隊を投入していたらというイフイフな訳だ。
さて、それとは別にプレイイグザンプルとして載っている「ハイヌーン」がミニシナリオとしてプレイできるようになっている。今回はこれをプレイしてみた。
ビックリするほど登場部隊数の少ない本当にミニなシナリオだ。しかも1ターンしかプレイしないので、一度アクティベートしてしまった部隊はもう単なるマーカーみたいな存在と化してしまう。率直に言ってゲームとしては面白くない。
それでも戦闘解決の練習くらいにはなる。
一応、本作は戦術戦闘級の現代戦なので、多少、解決には煩雑な修整処理などがある。その意味では本格的なシナリオをいきなりやって練習不足でリセットにするくらいなら、これをやっておいても良いかなという気はする。
しかし、これを少しプレイしただけでもロシア軍が目的を達するのが不可能に近いことがすぐに分かる。
戦闘システムは、個別のユニット単位で射撃、自分の攻撃力以下を10面体ダイスで出せばヒットというのが基本。多くの歩兵部隊の攻撃力が2か3であるのに、市街ヘクスでは+2修整が加わる。したがって、0以下とか1以下で命中ということになる。ところが実際には1ターンしかないシナリオなので、移動して射撃する移動射撃を利用するとさらに+1修整、しかもチェチェン部隊が活性化していないと隠密状態にあるための+1修整という具合だ。これだと、攻撃力が5ある戦車部隊でさえ結局は+4修整で1以下でしかヒットしないということになる。
そんな訳で、チェチェン側は活性化機会が来てもなにもせずにパスする。そして、ロシア側は一応の努力をするが、ほとんど命中しない射撃をしておしまいになり、1ターンしかないのでゲームは終わってしまう。うーむ、これはルールの確認をする以上の意味はないね‥(^_^;
ということで、ちゃんとしたフルシナリオをプレイしないと仕方がないのだが、それにしても上記の状況を踏まえるとヒストリカルシナリオはとても無理な気がするので、いきなりイフシナリオか、さもなければ空挺部隊を投入するデサント拡張をやるしかないかという感じだ。