6日はこども名人戦のためお休み。
13日は富士田7段と関西の西5段。解説は関西棋院の中野9段でした。中野先生は和装で登場し飄々と解説されていました。まずまず合格でした。
西5段と中野9段ですから大阪撮りだったと思いますが読み上げは森智咲ちゃん。東京から出張でしょうか。ご苦労様です。
森さんは昨年すでに2段に上がっていて、安田さんを追い越してしまいました。いえ厳密には入段がそもそも安田さんより前なので追い越してはいないですかね。そう言えばもう一人の読み上げの辻さんが今年3段に上がり、安田さんの出遅れが目立つようになってきました。関西総本部内では塚田千春さんが今年、2段に上がって安田さんを追い越しました。
安田さんの聞き手は来年も継続されるのでしょうか? NHKさんの判断が気になります。何はともあれ、手合いにもう少し勝って欲しいと切に願います。
20日は22才の大竹7段が27才の一力棋聖に挑戦しました。
名古屋撮りだったのか、解説に下島先生が登場し、ドキドキしながら見ました。
前半は令和の平明流・大竹7段の悠揚迫らざる着手を堪能できました。なので、黒が特に薄いとも見えなかったのですが、中盤でいよいよ一力棋聖がダンビラをするりと抜いて斬り付け、俄かに急迫しました。黒は左下の三子を取りましたが、右下が全滅してしまって、これではとてもフリカワリとは言えません。白の一力棋聖リードで後半戦は進みましたが、全滅したかに見えた右下が右辺と渡る綾が生まれてコウ争いに。白はどこかで妥協しても十分に残るように思えましたが、一力棋聖は最強を選択して劫立ては全部受けて応戦。
最後は大竹君が投げざるをえなくなりました。
下島先生は、今回は非常に注意深く解説されていて、特に中盤以降の競り合いや劫争いについて適切な密度で説明を加えて、非常に良い解説ぶりでした。かなり見直しました。
27日は関西棋院の瀬戸8段と名古屋の羽根9段。両者ともに穏やかな手段を好む本格派で、このことは冒頭の羽根先生のインタビューでも、「今日は少し古い碁形になるかもしれません」とコメントされていました。
その通りに、序盤は特に瀬戸先生の急がない本手が目立ち、少しですが黒の瀬戸先生優勢という展開に。地に辛くシノギ勝負にしたい羽根先生が地で遅れるのは珍しい。中盤、劣勢を意識して少し強硬手段を繰り出して左下の大きな劫争いが発生。下辺の大石の死活を賭けた劫と劫争いを二つにして、どちらかは勝つ展開にもっていき、左下の黒地を粉砕して地合いの均衡を取り戻しました。瀬戸先生が薄くしたとも思えなかったのですが、さらに下辺の大石を追求して逆転した模様。最後は黒が地合いが足りなくなって白の右辺の大石を取りに行かざるを得なくなり、そこはシノギには自信のある羽根先生がしっかり一眼を確保した所で瀬戸先生が投了となりました。
解説は8段解説者5人衆の一角、安斎8段でしたが、前半のゆったりした判断の難しい碁も、後半の大石の死活も非常に上手く解説していました。ここらへんの8段の人たちは非常に打てている感じがします。平田智也8段あたりは、今年は初の3回戦突破をしないかと楽しみに見ています。
ところで、11月の解説者に久しぶりに清成先生が出てくることが予告されて、大いに楽しみにしています。佐田、田中戦ですから、両対局者と近い存在としてのご登場かと思いますが、若い頃(新人王戦)から知っている先生が出てくると嬉しいものです。