8日は、藤沢里奈対広瀬七段の若手対決。ともに藤沢門です。
解説者は同じく藤沢こども教室の出身者である寺山六段でした。
寺山六段がNHK杯で準優勝して名を挙げたのが2015年ですから、そろそろ10年になります。七大タイトル戦や名人戦リーグで見かけることもなく六段のままは、少し本人も周囲ももどかしい感じでしょうか。
碁の方は、解説者はヨセ勝負になると予想しましたが、案に相違して広瀬君が非常に険しい手段を連発して大捕物になりました。
地合いでは黒の藤沢が良さそうと見て、下辺の黒に襲い掛かる白の広瀬。プロが本気で石を取りに行くとこんなに激しくなるのかと言う格闘戦となり下辺の黒の目がなくなりコウに。このコウ争いの中で、白が左辺の黒の目を奪う劫立てをしたのに黒が手抜いたことから黒の左辺も目がなくなります。
しからばと黒は左上の白の地所に飛び込み、これを白が手抜いたので白も目がなくなります。下辺の黒の右側の白も目が怪しく、盤上に生きの不確かな石が4つも5つも。
藤沢は全部生きて地合い勝負でも僅差と見て、全ての功立てを受け切ってさすがに苦しくなり最後は下辺の黒が仕留められた所で投了となりました。
寺山解説は悪くなかったのですが起こっている事件の割にはテンションが高くなく、このくらい激しくなると河野臨先生の出番だったかなと思ったりしました。
15日張栩九段と関西棋院の若手の表二段。
この碁も非常に激しくなりました。関西棋院の結城九段の解説でしたが、張栩九段の時間マネージメントに触れたり、面白く解説してもらいました。
凌ぎが強い張栩九段が下辺の黒の大石に襲い掛かるような展開になり、珍しく張栩九段が相手より先に時間を使い切ることとなりました。この時点で張栩苦戦ということが判る訳ですが、つぶれることはなく最後まで作って表二段の三目半勝ちとなりました。
結城先生の解説は判りやすく、こうした激しい碁の解説にも向いていたと思います。
22日は、女流棋士で唯一二回戦に進んだ上野梨沙女流棋聖と安達七段でした。
9月の碁は軒並み険しい碁ばかりでしたが、これも険しくなりました。下辺でひと騒動ありましたが互角に判れ、後半戦に入って中央から上辺に掛けて攻め合い模様となり、結局、中央の白八子が落ちてしまい、局後のインタビューでは安達先生は此処で負けにしたと思ったそうです。しかし、落ち着いて数えてみると非常に細かく、結局、最後まで打って半目安達先生が勝ちました。二人の対局は前回も安達先生の半目勝ちだったそうです。
解説は記録係り上がりの大西研也六段。非常にお洒落な出で立ちで登場しましたが、解説の方はそれほどにカッコ良くはなく、対局者が最強の手段を繰り出し続ける中、自分だったらここは妥協して置く‥というようなコメントに終始して、ちょっとガッカリでした。聞き手の安田さんともども手が見えていない感じで、これはちょっとNHKには善処を求めたい回となりました。
29日の山下vs福岡戦は、TVの故障により録画予約できず見られませんでした。河野先生の解説だったので非常に残念なことをしました。