6月のNHK杯囲碁トーナメント

 第1週はご贔屓の林漢傑八段と広瀬元新人王です。

 漢傑先生の方が強いような気がしていたのですが、今年になってからは2連敗中だそうです。この碁も左辺から中央へ石が競り合っていく過程で急にAI評価が悪化し、以後、なかなか回復しないまま投了図となりました。それまではむしろ優勢評価だったのですが。

 解説は三谷八段でしたが、改めて見てみると漢傑先生と良く似ていますね。

 第2週は、依田先生と本木八段でした。

 今となっては本木君の方が打てているのではないかと思いましたが、確かに序盤は優勢でしたが、中盤に石が競り合った所で左辺で亀の甲に抜かれたのが想定外に悪く逆転し、その後は依田先生の盤石の寄りに土俵を割ってしまいました。

 まぁ、依田先生の世代が頑張ってくれるのは同世代人として嬉しいのですが。

 解説は秀行合宿で東の依田、小松と並び称された小松九段。昨年12月に続いての登板です。昨年12月の解説が好評だったと言うことでしょうか。依田九段の盟友としての選抜でしょうか。いずれにせよ、安定した解説ぶりで安心して聞いていられました。

 第3週は、9年ぶり出場の大場惇也八段と、18才の福岡航太朗五段。

 解説は鶴山先生。40才の鶴山先生は大場先生と同世代。自分たちの年齢になると、一度出場が途切れるとなかなか復帰できないとのコメント。その通りと思います。そんな中で復帰してきた大場先生のシュアな実力というのを楽しみにしていましたが、今打てている福岡五段には勝てませんでした。

 AI布石研究に実績のある福岡五段を警戒してか、黒番で中国流を打ってAI研究外しをした所に工夫と勝つための執念を見た気がしましたが、あまり上手く行きませんでした。最後は右下でポカが出て頓死投了。

 第4週は、関西棋院の呉柏毅六段と、上野立葵杯。

 初対局ですが、練習碁で打った時はいつもごちゃごちゃになったのだそうです。本局もかなりごちゃごちゃになり、下辺ではどちらの石もちゃんとした生きが見えない状態で進んでいき劫に。

 AIの形成判断によれば中盤以降はずっと呉六段が良かったようですが、ときどき勝敗予想が大きく動くので上野にも再三チャンスがあったようです。しかし、どうにか無事に呉六段が逃げ切りました。

 解説は関航太郎九段でしたが、正直に言ってわかりにくくて困りました。まぁ、碁の方が難しかったのではありますが、難しいものを難しくしか説明できないのでは解説者としては評価しにくいと思いました。難しいものをわかりやすく説明してこそ名解説者と思います。難しいになりに、今はどこが焦点なのかリアルタイムに説明してくれればと思うのですが、どこが焦点かというような説明の仕方をせずに、いきなり「数えてみたのですが細かいですね」って、それは解説じゃないじゃんと。