中国的世界観を読む

アンソロジー、「アンティシペーション」の中のオールディスの中編。
マグナス・リドルフの連作集を読んだら、なんとなく良質の中編をもっと読みたくなって本棚から抽出。
初読の時の自分の感想を読んで選んだのだが、少しイメージが違っていた。思っていたよりも、「中国的世界観」が出てくるまでの寸が長かった。
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20130715
本書は、さまざまな情報を収集して、その人の未来をできるだけ正確に予言する機械を発明して売り込みに行く話し。ホルモンバランスの果てまで測定してデータとして消化すると言うバリバリの西洋科学技術の結晶だ。
で、これを売り込みに行くと、中国人の重要人物が中国古来の「易経」の話しをしてくれる。「易経」と言えば、PKDの「高い城の男」にも登場した。欧米人から見ると、さぞ神秘的に映るのだろう。
それにしてもアンソロジーのお題である「予感」から、予言マシンの話しにして、それを中国文明との対峙で〆るのは剛腕というほかない。