バーレンヴィクトリーの二日目の朝の南軍

3年前も、今回もバーレンヴィクトリーのシナリオ3、セカンドデイをプレイしました。
このシナリオの特別ルールには問題があり、南軍の攻勢は必然的に失敗するように仕組まれています。
朝5時に始まりますが、この時点で南軍はウィング編成を採っています。
ライトウィングは、ポーク将軍が指揮しています。5時の段階でブラッグからポークへは、北軍第14軍団を攻撃せよとの命令が受領されています。
それなら良いじゃないかと思うのですが、ここがおかしな所です。
ポークはウィングコマンダーなので、その配下に軍団長がいます。で、ライトウィング特別ルールとして、ポークが命令を受領しても配下の軍団長は命令を受領しません。ポークが改めて中間管理職として軍団長に命令を発して受領されねばなりません。ポークも凡将(指揮値0)の一人なので、この命令はすぐに通りません。なので、配下のDHヒルはすぐに動きません。
ここまでは、動きが鈍いテネシー軍というだけで、割とCWBでは良く見る光景です。
問題は、ポークが軍団長を兼務していて直属軍団を持っていることです。で、この直属軍団は、ポークが命令を受領した時点で攻撃を開始してしまいます。
結果として、ポーク軍団が単独で攻撃を開始します。遅れてDHヒルが攻撃を開始するのですが、今回はその前にポーク軍団は軍団攻撃頓挫チェックに失敗してしまいました。
かくて絵に描いたような各個撃破が展開され、南軍のチカマウガ二日目は失敗するようになっているのです。
まぁ、実際に敗けたんだから仕方がないじゃないかと言う気もします。CWBは特に個別の戦いに基づいて指揮官能力を付けますので、ジャクソンでさえ遅刻したメカニクスヴィルでは最低クラスに評価されたり‥。「そうした指揮系統の問題点を反映することで史実再現性が高い」のがCWBの興味深い所です。
ユニットの戦力をいじったり、CRTをいじったりするのではなく、「指揮官能力とシナリオ開始時の発令済み命令によって、成功も失敗も演出される」のです。
CWBが栄えたのは90年代のことなので、既に20年も前になります。しかし、20年の歳月を越えてなお、新鮮であり感動的ですらあるデザインです。
「戦闘は現場で起こっている」というのと対句として、「失敗は司令部(または命令伝達経路)で起こっている」というのが、今回のCWB4人戦の最大の知見だったと思います。