「ゆきずりエマノン」から一年が経ってしまいました。
珍しく長編です。
ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の「仏領西インドの二年間」を出発点として、ポール・ゴーギャンも登場します。
エマノンの完全記憶のミッシングリンク部分を、エマノンが確認しに来たというお話です。それを視点人物の少年、上記二人のスペシャルゲスト、エマノンの4人で探検します。
舞台は西インド諸島のマルティニーク島で、同島のペレー山の大噴火災害がエピローグになっています。
伝奇小説としての側面が非常に強い作品で、いつものエマノンとはかなり異なった雰囲気になっています。
リーダビリティは高いですが、いつもの独特の抒情的な風情は薄い感じです。