料理の神様を見る

フジテレビの単発特番です。

そう、あの1993年から十年近くに渡って大人気を博した「料理の鉄人」の一夜限りの復活特番です。

最近のフジテレビは昔の遺産で暮らしています‥みたいな企画が少なからずあります。必ずしも上手く行っていないものもあるので、正直を言うと心配でした。

ですが、これは面白く仕上がっていました。

主催者が鹿賀丈史に代わって吉田鋼太郎、実況が福井謙二に代わって伊藤利尋でした。この二人は上手く嵌まっていたと思います。解説者は服部先生が変わらず務めていました。

かつては、レギュラーの鉄人にゲストの挑戦者が挑戦する建付けでしたが、今回は逆で美食アカデミーが用意した科学的データを駆使する謎の料理人、ミスターゼウスが世間で名高いシェフに挑戦する構図でした。

80分枠で、ハンバーグと回鍋肉の2本でした。回鍋肉では、かつて中華の鉄人を務めた陳健一さんが登場、ハンバーグはたいめいけんの茂出木シェフでした。

勝敗は伏せますが、特にハンバーグ編は面白かった。

A5霜降り肉は、実は旨味成分であるアミノ酸に乏しいとして、敢えてタフミートを使用。旨味を封じ込める工夫として、粗びきに玉ねぎなどを混ぜ込んだ核を細引きの密度の高い殻で包んで焼きました。そうすると鍋に肉汁が流出する重量減が圧倒的に少なくなるという実験データが提示されました。

一般家庭ではタフミートを、粗びきと細引きにしたものを手に入れることができないと思うので、自分でもやってみようとは行かないのですが、非常に興味深く見られました。

強いて言うならば審査員が、片平なぎさ足立梨花陣内智則と、なんとなく軽いかなと言う気がしました。番宣を兼ねて出している都合なのでしょうが、一人くらい重鎮が入っていて欲しかったでしょうか。

科学した料理と言う準備が大変なテーマなので、これで定期番組にはできないかと思いますが、単発番組としては非常に良かったと思います。

吉田鋼太郎が「一度、言ってみたかったんだよ」と呟いてから「アレキュイジーヌ」と号令を掛けていましたが、そうか俳優から見ても憧れの名セリフだったのかと思いました。

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