SFマガジン2006年10月号を読む

「現代女性作家特集」です。

別の号を入手するためにセット売りのオークション品を落札して、入手しました。

現代と言っても2006年ですから、ちょっと古い。

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リズ・ウィリアムズの「天使と天文学者」は、チコ・ブラーエと、ヨハネス・ケプラーの二人を描きます。この組合せだと、水見稜の「夢魔の降る夜」を思い出します。

この二人が師弟関係だったのはヒストリカルな事実です。ただ、天体観測技術と、天体運動計算の第一人者同士で、決して仲良く研究していた訳ではないのも事実のようです。

題材が良いこともあって、興味深く読むことができました。

マーゴ・ラナガンの「地上の働き手」は、おばあが臨終を迎える直前、おじいがぼくのことを起こして「天使を一匹みつけてこい」と言うお話し。この導入が命です。

ケリー・リンクの「しばしの沈黙」は巻頭に置かれていますが、正直に言って良く判りませんでした。

ジャスティナ・ロブスンの「小熊座」は多元宇宙で離ればなれになってしまった夫婦の断想。ちょっと情緒に流され過ぎた書きぶりで評価しにくいです。

全般的に判りにくいものが多くて、もう一つかなと言う気がしました。強いて言えばリズ・ウィリアムズが良いでしょうか。