×地球の静止する日を読む

bqsfgame2016-06-20

間違えて購入しました。
創元文庫の中村融編のものと勘違いして、角川文庫の同題のアンソロジーを買ってしまいました。
買ってしまったので読みましたが、正直に言って今一つでした。
集中の白眉は、エリスンの「38世紀から来た兵士」です。映画、「ターミネイター」に影響を与えたというのですが、なるほどと思います。エリスンらしくない気もしますが、それはそれとして良く出来ています。
伏兵は、シマックの「異星獣を追え」です。なんか、レズニックの「ソウルイーターを追え」みたいなタイトルですが、内容は全然違います。自我の同一性への疑問というPKDみたいなストーリー展開は、意外な結末、さらにどんでん返しとなって綺麗に落ちます。逆に、いかにもSF短編らしくてシマックらしくないかも知れません(笑)。
巻末はフレドリック・ブラウンの古典、「闘技場」です。スタートレックの「怪獣ゴーンとの対決」のモデルと言うのは、トレッキーなら解説不要です。スタートレックの勝ち方の方が個人的には好きなのですが、ちょっと複雑すぎますかね、今にして思うと。
お題が判らない方は、こちらをご参照ください。
http://www.gamespark.jp/article/2013/03/30/39887.html
他は表題作を含めて全体的に低調。映像作品の原案って、小説としては中身が薄くならざるを得ないのでこんなものなのでしょうか?
ただ、上述の3編は、いずれも今となっては本書以外では読めない。ブラウンだけは、「スポンサーから一言」に収録されているが、エリスンは古いミステリマガジン、シマックに至っては代表作の一つと言われながら、シマックの世界に収録されていない。