ナイトファイアー・バトルフォーブダペストをソロプレイする

実際には先週末にプレイしました。

外出自粛の折、自宅でソロプレイに励むしかありません(笑えない)。

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本作は、1956年のハンガリー動乱の第2週を描くゲームです。ナイトファイアーと謳われていますが、別に夜戦専用のゲームではありません。

ちなみに、同じデザイン陣の「怒りの日・ブダペスト」が第1週を扱っているそうです。システム的には全然ちがうものらしいですが。

分類上はカードドリブンとなっていますが、いわゆる狭義のカードドリブンとは雰囲気が違います。

ソロプレイゲームでは、プレイヤーはブダペスト蜂起部隊をプレイします。毎ラウンド、モラルによって12枚または8枚のカードを受け取ります。他方、ソヴィエト軍は1ラウンドに合計5枚のランダムな作戦カードを実行します。

両者は交互に手番を行います。

プレイヤー側は、移動、攻撃、脱出などを実施します。また、相手に攻撃された時に、割込みで反撃も実施できます。また、ラウンド開始時にのみ、増援を1回だけ実施しても良いです。

ソヴィエト側はランダムに配られた5枚から、ダイスでランダムに1枚を選んで実行します。索敵、逮捕、攻撃、再編成などができます。

マップはエリア方式です。3つのソヴィエトの師団担当区域に分割されていて、ソヴィエト軍は師団境界を越えられません。

ユニットはソヴィエト軍は紙ユニットですが、ブダペスト側は積み木です。ですので、対戦モードではソヴィエト側は正体を見ることができません。

勝利条件は少し複雑です。

ソヴィエトには「面子(prestige)」ポイントがあり、これはブダペスト側に有効な攻撃を受けると減ります。また、ゲーム終了時までに国境外に離脱した市民数によって減ります。その結果としてゲーム終了時に面子がゼロ以下になるとブダペスト側の勝利となります。

と言うことですので、プレイヤーは市民の逃亡を優先し、チャンスがあればソヴィエト軍を攻撃します。ソヴィエト軍を攻撃するためには、暴徒をできるだけ長く盤上に維持する必要があり、そのためにハンガリー軍がが攻撃してきそうな場所では退却したり、バリケードを築いたりします。一方で、ソヴィエト軍を攻撃するためには、同じエリアにいる必要があるのがジレンマです。

ソヴィエト軍は市民が市内にいる間に逮捕してしまうのが序盤の優先事項。市民が減ってきたら暴徒を叩いて、敵の有効な攻撃や反撃を圧殺してしまいます。ゲームは、暴徒が減少すると自動的に終了するので、面子ポイントが残っている内に暴徒を粉砕してしまうのが吉です。

と言っても、ソロプレイモードでは選択されたカードによって自動的に実行されるだけですが。このソヴィエト側のカードは、5枚中の3枚がターン開始時にオープンになっていて、このラウンドにソヴィエトが何をしてくるかはブダペスト側は一定程度まで予見できます。地の利と言うやつでしょうか。したがって、それを踏まえて逃げるのか踏み止まるのか、あるいは先制攻撃に出るのかを考える必要があります。

また、あるラウンドに一定以上の戦果を挙げると、次のラウンドのソヴィエト側カードから2枚を取り除くことができます。これによって、時期によってもっとも食らいたくない逮捕、攻撃などを排除できます。その意味でも、非力ながらも攻撃することの価値は高くなっています。

最終的に暴徒は鎮圧されます。この結果は変えようがありません。しかし、ゲーム的にはソヴィエトの面子を潰せば勝利できます。

初見でしたが、最終的に面子がマイナス2となって無事に勝利できました。

両者のアクションのメカニクスに相互作用があること、ソヴィエトのAI挙動が結構もっともらしいことなど、なかなか良く出来ていると思いました。

対戦モードにも挑戦してみようと思いますが、実現するのはコロナ騒動終息後にならざるを得ないでしょう。