ゲームのインストラクションの話し

最近、ゲーム関係のいくつかのサイトで相次いでインストラクション絡みの話題がでている。本件に関してわたしは少数派意見であるという自覚があるので、どこにもコメントを付けていなかったのだが、自分のサイトなので一度自分の考え方を整理する意味で書いておきたい。

インストラクションは技術か?

わたしはインストラクションをする側なことが多く、受ける側になることが少ない。その意味では客観的にインストラクションというものを見る機会が少ないので、この点については良くわからない。
ただし、一つのことは言えると思う。
良いインストラクションをする人は大抵の場合、事前に準備をきちんとしているように思う。事前にゲームルールを複数回は読んでおり、可能ならソロプレイをして、プレイエイドが必要だと思えばそこまで自作してくる。そこまで準備している人のインストラクションは聞いていてスムーズに理解できる。わたしは、これは技術ではなくて準備(あるいは努力)の問題だと思っている。きちんと努力することこそがスキルなのだというなら、スキルだと言っても差し支えはないが、天性の才能があって一部の人にしかできないものであるかのような印象を与えるのでスキルとか才能とかいう言葉は個人的には好かない。

インストラクションの努力負担が偏在していないか?

上述のようにインストラクションと言うのは事前の努力を要求すると考えている。したがって、インストラクションをする人はゲーム会の時間とは別に、自分の生活の中で時間をやりくりして準備をしていると思う。
飽くまで個人的な意見ではあるが、そうした努力が一部の人にだけ偏在しているような気がする。逆に言えば、「ゲーム会と言うのは、『体』と『ゲームをやる気』さえ持っていけば、ゲームも、インストラクションも、対戦相手も準備してくれるものだ」という認識の人は少し考え直してみて欲しいように思う。
もちろんゲームという趣味は対戦相手がいないと成立しない訳で、ゲームを持ってこなくても参加さえしてもらえればありがたい‥というのがゲームサークル側の事情としてもあるだろう。また、ゲームという趣味を活発化させることで、回り回って自分がゲームを楽しむことができるというのも真実だと思う。中には自分が好きなゲームを布教することそのものが嬉しくて嬉しくて‥という人もいるに違いない。
ゲームに対する関わり方の程度によってそれぞれの事情はあると思うが、ある程度までゲームに関わりが深くなり、とりわけ準備に労力の掛かる重いゲームをプレイするようなメンバーになってきたならゲーム準備の労力の負担が著しくアンバランスにならないようにということも考えてみて欲しい気がする。

それでもどうしようもないとき

インストラクションには事前努力が必要、その負担はみんなで分担することが必要。これが意識されれば、わたしは一定程度のゲーム意識のメンバーが揃っているゲーム会ではインストラクションが滞ることはなくなるのではないかと思う。各自が一つでも二つでもスムーズにインストできるゲームを全員が持ち寄れば、プレイしきれないほどの「スムーズにインストされるゲーム」がゲーム会には揃うはずだと思う。
しかし、実際にゲーム会に行ってみると、ゲームを準備しインストする人は決まった特定の人になっているのが常のようだ。大体のゲーム会は、そうしたインストラクターの人数で卓数が決まり、その卓数に見合った人数が集っている。と言うことで、目くじらを立てなくてもそれなりに回っているケースがほとんどだと思うのだが、それでもインストラクターの人がそれぞれの都合で来れないことが重なると、突然、卓数に見合うだけのインストラクターがいなくなってしまうことがある。
そのときに、ゲームそのものがありさえすれば、それをやったことがある人が朧な記憶で説明したり、場合によってはルールブックを丸読みしたりしてゲームを始めようという努力がなされる。その時に初めて参加者は、ゲームを準備してインストラクトしてくれる人の有難味を実感することになるようだ‥(^_^;
あとはそうした喉もとの熱さを忘れない内に自分もインストラクトができるゲームをいくつか用意する習慣を持つか、次回以降はまたインストラクト常連が揃っていることを期待してなにもしないかというところで立場が分岐していくのだと思う。

ではわたしは何故インストする側を選んだのか?

さて、大袈裟な話しになってしまって恐縮だが、個人的に言えばわたしはインストする側になったのは、昔はそれしかゲームをプレイする道はなかったからである。今のようにゲーム会に体とやる気さえ持っていけば至れり尽くせりでゲームをさせていただけるなどというのは、わたしには信じられない思いさえする。
あとそういう良い時代になったにも関わらず依然としてインストする側が圧倒的に多いのは、自分がやりたいゲームを持ってきてインストしてくれる人間が依然として自分しかいない場合が少なくないからである。サンダーズエッジがやりたいとか、アフターホローコーストがやりたいと言っても、自分が持っていってインストしない限りは先ず卓が立ちそうな気は依然としてしない。
と言う訳で重いSFゲームをやる限りにおいては現状は必然であると思っている。
老後になって、軽いユーロゲームを楽しむ立場になったら、体とやる気だけ持っていって、インストを聞く立場に移らせていただこうと思っているので、その折には今の若いゲーマーのみなさんよろしく‥(^o^)/