○ファウンデーションへの序曲(上)(下)を読む

bqsfgame2005-04-05

アシモフの「銀河帝国」シリーズ。ファウンデーションものの最初に当る。このシリーズ「ファウンデーションと地球」でつまずいてしまってその後の出版分は読んでいなかったのだが、「アンドリューNDR」が良かったので。
結論としてはスムーズに読めたが、面白さとしては75点くらいだろうか。若き日のハリ・セルダンが、心理歴史学のコンセプトを提示したために諸勢力の争奪の焦点になってしまうという話し。トランターのあちこちを回っていくのだが、トランターの持つ多様性が語られ、帝国と反帝国勢力のワイの騒動が語られる。そして、帝国の腹心の意外な正体へと繋がる。
冒険の内容としては、実はそれほどエキサイティングという訳ではなく、むしろアシモフらしいミステリータッチ。随所に感じられる帝国の衰退、その衰退に当てられていて理論的には心理歴史学を確立していても実用性を最初は全く自身で信じていないセルダン。そのセルダンが実用性を確信するように変わっていく。その変化のキーマンが実は‥。
個人的な好みの問題だが、銀河帝国ものとロボットものを連結する必要はなかったのではという気もする。銀河帝国ものが、マクロのダイナミズムの魅力であって欲しかったと思うのだが、どうもミステリー志向が強まってきて少し自分の好みからは外れていった気がしている。