ゲームの概要

ゲームはシンプルなポイントトゥポイントのワープ航法式の星間戦争ゲーム。二人から四人まで遊べるのだが、二人用シナリオしか遊んだことがない。二人用シナリオでは、メイジアン艦隊と同盟艦隊が両者の激突する宙域の覇権を賭けて戦うことになる。
と言っても量に劣るメイジアン艦隊は、ゲリラ戦的に敵のいない星系や、弱小な分散した敵を狙って攻めるばかりで、序盤こそリードを奪えますが後はジリ貧。数を擁する同盟は、最初はサイティーンに偏しているが、そこから分散して確実に拠点を確保し、メイジアン艦隊を削って活動能力を奪っていく。
ゲームは8ターンしかなく、その中でメイジアン艦隊が如何に同盟を出し抜いてポイントを確保し、後は逃げ切っていくかが勝敗の争点。
戦闘システムは「インペリウム」のように艦隊と艦隊が、1ユニットずつ相手をターゲッティングして撃ち合うもの。防御スクリーンによるリフレクションチェックがあるが、基本的にはごくシンプルなもの。
個人的には、ユニット数が少なく、小さなヘクスにスタックを積んだりめくったりしないで済み、戦略的な決断に腐心できるゲームは大好きなので、このゲームは非常に気に入った。
ただ、こう言ってはなんだが、原作小説は人間ドラマとしては面白いが、基本的には敗走戦の見苦しさが主体で、魅惑的な作品とは言いがたいと思う。ゲームはゲリラ戦的な醍醐味があり、個人的には好き。が、多くの宇宙SFゲーマーが期待しているような開拓の醍醐味や、命運を分ける激突というのではない。だから、このゲームが発売当時もそれほど話題にならなかったのは止むを得ないだろう。
[つづく]