ネタバレ注意!

P:ナイトウォッチたちのエピソードから三巻は始まる。チェットと言う裏切りを画策する若者の視点から始まる。しかし、その裏切りを実行しようとする直前に三回の角笛が響き、異形人の到来が告げられた。
1:ジェイム・ラニスターは、捕虜交換のためにブリエンヌとサー・クレオスに連れられて鎖に繋がれて旅をしていた。この旅は敵にも味方にも追われる旅で、リバーランの衛兵隊長サー・ロビンに河で追われることになるが、ブリエンヌの活躍で追っ手のガレー船を沈めて引き離すことに成功した。
2:ケイトリンはジェイムを逃がしたことについて軟禁され弟であるエドミュアからも責められる。そしてエドミュアはハレンホールにも鴉を送り、通過するであろうジェイムたちを決して逃さぬよう手配したのだった。
3:アリアはハレンホールから脱出しリバーランを目指してジェンドリーとホットパイと道を外れて川を頼りに進もうとしていた。
4:ティリオンは九死に一生を得て回復しつつあったが、彼が回復してみると王の手は彼の父親になっており、彼の女は鞭打たれて追放されていた。彼が父親に自身の功績であるキングスランディング海戦で敵を決定的な罠に陥れた河口に張った鎖を思い出させても、事態は改善しそうになかった。いまや、事態はタイウィン公が掌握しているのであった。
5:タマネギ騎士のダヴォスは、悪夢のようなキングスランディング海戦の破局を奇跡的に生き延びることができた。岩の尖塔に流れ着いた彼は、さらに奇跡的な幸運に恵まれスタンニス王の数少ない残された味方であるサラドール・サーンの船に拾われた。
6:絶望的に不幸なサンサは、ジョフリー王の新たな婚約者であるマージェリー・ティレルから招待状をもらう。茨の女王と呼ばれる彼女の祖母はサンサにジョフリーのありのままの姿を尋ねる。サンサが伝えたことにも関わらず婚礼は予定通りに進められるが、それとは別にハイガーデンはサンサを跡継ぎの国にいる足の悪い長男ウィラスと結婚させようと思っていると語った。
7:ジョン・スノウは、ナイトウォッチからの転向者を装って壁の外の王マンス・レイダーに受け入れられることに成功した。
8:デーナリスはガレー船団に騎馬の一族たちを乗せて旅をしていた。新しい味方であるホワイトベアードは彼女にかつてのドラゴンの一族について語った。彼の忠実な護衛騎士であるサー・ジョラーは、彼女に無垢軍団を手に入れるよう助言した。ドスラクの騎馬の民の波状攻撃を持ちこたえたと言う脅威の軍団はアスタポールで買うことが出来るという。
9:沼の民のメーラ、ジェジェン、そしてホーダーと共に旅をする死んだと思われているブラン。彼らは目的地を北に取ることを決めた。
10:ダヴォスはサーンに対してスタンニスを支配している赤い女、メリサンドルを殺すつもりだと伝える。しかし、帰港した彼は機先を制して逮捕されてしまうのであった。
11:ジェイムの一向は戦火の中で開いている旅籠に辿り着いた。そこで船を馬と引き換えにして水路を離れ陸路を行くことにした。
12:ティリオンのところに暗躍する宦官のヴェリースがやってきた。暗躍に似合わず陽気な彼は、サーセイの手先となってティリオンを見張っているのはケトルブラック兄弟だと告げ、そしてタイウィン公の手先となってティリオンを見張っているのは他ならぬ自分だとあっさりと告げたのだった。しかし、それでもなおティリオンはシェイと逢うための手引きを彼に頼むしかなかった。シェイとはもう別れねばと彼は思うのだが、実際に逢うとそうはできなかった。
13:アリアたちは、アンガイ、レム、トムという三人組に掴まってしまった。その一人は彼女のことをアリア・スタークだと気付くのだった。
14:ケイトリンの元に北の王ロブが帰還した。クラッグ(岩山城)を攻撃したときに負傷したが無事だったと言う。彼はそのときに傷を治療してくれたガウエン公の長女、ジェィン・ウェスタリングと結婚したと告げるのだった。このことは二つの事態を招いた。一つはロブが婚約していたフレイ遅参公の一家との同盟関係に大きなヒビが入ったこと、そしてラニスターに忠誠を誓っていたウェスタリング家がそれを裏切ったということ。
15:マンス・レイダーの一族に受け入れられたジョンは、マンモスや巨人などが彼の部隊に含まれていること、そして非戦闘員まで含めて彼の一族のあらゆるものが一緒に移動していることを見て取るのだった。
16:サンサはウィラス・ティレルとの結婚にすっかり乗り気になってしまっていた。
17:アリアは北へ向っているはずなのにしばしば南へと向っていることに気付き、途中、逃げようともするのだが果たせなかった。
18:サムウェルは雪の中を敗走していた。太っている彼はもう歩けないと思ったが、鳥をくれるという約束でスモールポールが運んでくれたりもした。それでも彼らは敗走する隊列から脱落しかかり異形人に襲われる。そのときサムは黒曜石で異形人を倒すこととなり、いくらかの自信を取り戻し敗走を続けるのだった。
19:ティリオンがタイウィン公の会議に出ると、シオン・グレイジョイがラニスターに同盟を求めてきたと言う報せがあった。しかし、タイウィン公はシオンがラニスターに約束できることはどうせシオンがしなければならないことばかりで、北の争いは放っておいて良いと判断した。むしろ彼は味方を固めることに重点を置き、ピーター・ベーリッシュがアイリーのレディ・リサを妻にしてみせるというのを許した。その代わりの大蔵大臣に彼はティリオンを任命すると同時に、ティレルの機先を制してサンサを妻にしてしまうように命じるのだった。そして、ウィラス・ティレルの妻にはサーセイを送り込むことを決断した。
20:ケイトリンはロブの施策が次々と齟齬を招くのに打つ手がなかった。カースターク公は非武装の従者二人を報復の名の下に殺した。ロブは悩んだ末にカースターク公のしたことは戦時とは言え名誉のない殺人でしかないと結論し、自らカースターク公を処刑する。これによってカースターク家もまた帰趨が見えなくなってしまった。
21:ジェイムは一瞬の隙を突いて剣を手にすることに成功しブリエンヌと激しい剣戟を交わす。その物音は聞きつけられ、勇敢組にまとめて捕らえられてしまった。
22:アリアたちはエイコーン・ホールに到着し、そこでアリアはレディ・スモールウッドにお風呂に入れられ着飾らされてしまうのであった。
23:デーナリスはギスの古代王国の末裔であるアスタポールへと至り、そこで宦官にされ苦痛を感じず服従だけを旨とするように育てられた戦闘機械とも言うべき無垢軍団の実態を目の当たりにした。
24:ブランはメーラから蛙の騎士が神様の恩寵で馬上槍試合で名誉を回復すると言う奇妙だが良い物語を聞かせてもらった。どんなものにも英雄になれる日が一日くらいはあるものなのだろうか。
25:牢の中のダヴォスを訪れてきたのは他ならぬメリサンドルだった。彼女はスタンニスは疲弊しており再び闇の子供を生み出すことは難しく、ダヴォスにその役割をする気はないかと持ちかける。ダヴォスは断るが彼女の力の存在そのものは否定できなかった。そんな彼の牢に王に諮らずに和睦しようとして反逆の罪に問われたフロレント公も入れられてきたのだった。
26:ジョンは今でも自分はナイトウオッチの一員だと思っているのだが、イグリッテの体に溺れることで段々と自信を失いつつあった。
27:デーナリスは最終的に船も船荷もそしてドラゴンの一匹も差し出すことで全ての無垢軍団と予備兵を買うことを決意する。取引が成立した時、だが譲り渡されたもっとも大きい黒のドラゴン、ドロゴンは奴隷商人の言うことを聞かなかった。ドラカリスの合言葉でドラゴンは奴隷商人を焼き、デーナリスに譲り渡された無垢軍団は奴隷商人とその郎党や護衛兵を皆殺しにしてしまうのだった。