☆投資信託にだまされるな!を読む

bqsfgame2007-07-16

最近のベストセラーの一つ。
自分のためというより奥さんに資産について勉強してもらうために買ったのだが、帰り道で読み終わってしまった。
先ず、本としてとても上手にマーケティングできていると思う。
セグメンテーションは投資初心者、ターゲットは投資信託を最近よく聞くけどどうやって選んで良いかわからないという不安を感じている人。
その層に対して、センセーショナルな「だまされるな!」というタイトルが先ず目を惹く。第一章を読むと、いかにも最近ありそうな投資信託の広告見本がカラーで掲載されていて、それぞれのどこらへんが「初心者をだまそうとしているか」を説明してある。ここまで立ち読みして、これは「本としてのマーケティングの成功事例だ」と思って買ってしまった。
終わりまで読むと後半はカラーページも少なくなり、具体的なアドヴァイスとしてはパッシブ運用の手数料の安いもので国内と国外、株式と債権に分散して投資するのが良いでしょうというシンプルな話しでまとまっている。
巻末まで読むと、実際には筆者さんはもっとスパイスの効いたものも手掛けているようだが、そうした部分をカットして初心者向けに徹して書いているのが良いのだと思う。
この本を見ると初心者教育というもののあり方について、二つ大きな教訓があると思う。
1)中級者向けの複雑な情報やテクニックを混ぜて説明しようとしないこと
2)初心者の感じる不安に思いやりを持って説明すること
中級者以上の方が本書に対して付けたコメントで「当たり前のことしか書いていない」というような記述も見るが、それはその通り。ただ、本書のターゲッティングを考えれば、それは成功であり、誉めるべき点であると思う。なかなか良い本だと思う。