×ラヴィン・ザ・キューブを読む

bqsfgame2009-06-21

第9回小松左京賞受賞作。
涼しげな装丁が気に入ってちょっと楽しみにしていた本。
しかし、残念ながら期待はずれだった。
新人賞応募作品なので仕方がないかも知れないが、主人公やその活躍エピソードが類型的に過ぎ現在から見ても一時代古臭い印象を受ける。「人に酷似したアンドロイドの開発プロジェクトだが、その用途は‥」という部分は意外にちゃんとSFなのだが、人物やエピソードはメンタルに流れすぎ、いろいろとギクシャクした感じが随所にあり、全体としてはいただけない。
筆者は雇用機会均等法第一世代なのだが、確かに当時の女性総合職なら、こんなマインドセットの人もいたかも知れない。しかし、今ではこんな仕事の仕方をしている女性総合職はいないし、いたとしてもこんなに重要なプロジェクトを任されるようなことはないのではないだろうか。筆者の身近にも若手の女性総合職はいるが、こんな不自然な人はいない。