20カ月ぶりの再読です。
初読の時より高く評価できました。
同じ画像ではつまらないので、今回はハルキ文庫版です。読んだのは角川文庫。
魔都上海の謀略から始まって、伝説の崑崙へと探検していきます。
山田正紀恒例の暴力のプロ1人+いろいろというメンバー編成です。
待ち受ける怪異が割と凝っていて砂漠クラーケン、葉を手裏剣のように飛ばしてくる竹林、爆薬を団子状にして抱えて飛来する爆撃蜂など、割と手が込んでいます。こういうのを読むと、「宝石泥棒」も再読したくなりますが、手元にないのでとりあえず「火神を盗め」を再読しようかと。
p182
「う‥」藤村は自分の眼が信じられなかった。
白く濁った視界のなかを、なにか巨大な蛇に似たものがくねっていた。蛇でないことははっきりしていた。それらは8本を数え、地の一点でたばねられてるのだ。
その一点では、それ以上もなく邪悪な眼が二つ、周囲を右往左往する人間を睨みつけていた。
p222
蜂は飛翔をつづけている。そして-その前脚からきのこを離したのだ。
ほとんど反射的に、藤村はそのきのこを射抜いていたのである。
きのこが宙で爆発した。それが火薬による爆発である証拠に、地にたたきつけられながら、藤村は確かに鼻に硫黄の臭いを感じていた。
その蜂は爆撃機なのだ。