×サンタクロースを読む

bqsfgame2010-03-11

女流SF作家シリーズ第二弾。
ジョーン・ヴィンジのノベライゼーション作品。
ノベライゼーションという段階で期待できないとは思ったが、案の定だった。
映画一本分の小説と言うのは、率直に言って文庫本100ページくらいの中編相当なのではないかと思う。
ノヴェライゼーション本を一冊の本として売るために、無理無理に300ページ近くまで書き伸ばす訳だが、大抵の場合はいただけない結果に終る。本書も例外ではなかった。
ジョーン・ヴィンジは、出てきた当時は非常に期待した作家だったのだが、サンリオで訳された楽園の崩壊がガッカリ。そして、ヒューゴー賞受賞の大作、雪の女王もページをめくるのが辛かった思い出があるばかりだ。
短編集、「琥珀の瞳」あたりを読むと、結構、骨の太いSFらしい作品を書ける人なので、方向性が違っていたら凄い作家になっていたかも知れないのにと非常に残念に思う。