×アバークロンビーステーションを読む

bqsfgame2013-01-17

1993年3月号のSFM。
ヴァンスの中篇だが、SFMの版組みで実に50ページほどもある。文庫版なら120ページを越えるくらいだろうか。
ヴァンスには珍しく女性主人公。一種のクライムストーリーで、アバークロンビーステーションの遺産相続者であるアバークロンビー伯爵をかどわかして遺産を奪うためにステーションに乗り込む。そういう仕事をする女性だから一般的な基準では妖艶。
ところが、このステーションは脂肪の楽園で、重力の枷の元では醜く非活動的な肥満が、無重力で開放されて美の規範となっている。そこでは彼女は貧弱なガリガリで哀れまれる女中でしかない‥と言うお話し。
魔王子シリーズのヴィオーレ・ファルーシの「愛の楽園」もそうだが、ヴァンスの異郷テイストが悪趣味な方に走った事例だろうか。真面目に想像すると気持ち悪い路線の作品。
うーん、これはちょっとねぇ‥(^_^;