勝手に四天王マーケティング:ウォーゲーム日本史

Aresの次はS&Tと言いたいが、なにぶんにも号数が多すぎて四天王にまとめきらない。と言うことでWG日本史に転戦。
八王子城攻城戦
以前にも書いたが、筆者は基本的に「攻城戦に面白いゲームなし」と言う意見だ。それを覆す事例は、洋の東西で一つずつ。東では本作に尽きる。ちなみに西ではSPIの「セヴァストポリ」である。
城塞の防御効果を単純なコラムシフトやダイス修正ではない形で表現しているのは秀逸にして斬新。本作は是非とも英語ルールを付けて海外販売して、日本のウォーゲームデザインの水準の高さを証明して欲しい。もちろんアメリカ人に「ハチオウジって何処ですか?」と質問されたり、突如として八王子城跡に外国人観光客が増えても筆者は責任を取らないので悪しからず‥(^_^;
●志士の時代
幕末物と言うのは非常に難しいと思っている。それは、全体として見ると政治要素、合従連衡の交渉要素の比重が高く、単純な合戦ウォーゲームでは表現できないからだ。
その意味で本作はイノベーションであるし、ベストマッチでもあると思う。このゲームも世界に問いたい所だが、幕末に関する史実情報が不足している海外では正当に評価され得ないので、まぁ無理か‥(^_^; 本作の前に、大河ドラマを英語化してガンガン輸出してください、NHKさん。
新撰組始末記
「ウォーアットシー」系列のシステムを京の街に展開したのは意外なベストマッチ。
オールスターキャスト勢揃いのユニット群を、京の街のマップに展開することの魅力が爆発している。これが創刊号の付録だったのは、本誌の成功に大いに貢献したと思う。
会津戊辰戦争
4つ目は迷った。同じ戊辰戦争ものの函館戦争とどちらにしようかと言う所。
印象がフレッシュな所で、直前に対戦した会津戦争にした。
カードドリブンの小品。進路が限られた会津への進攻、随所で難渋する攻城戦や峠の戦い。なかなかエキサイティングになりにくい題材だと思うが、これは面白く仕上がっている。カードによる振れが大きいのは、題材の特性とシステムの特性から止むを得ないか。
良いゲームだと思うが、会津戦争の海外知名度を考えると輸出困難。NHKが「八重の桜」の英語放送をアメリカで実現した暁には是非とも。