勝手に四天王マーケティング:アゲインストザオッズ

号数的に手頃な規模のウォーゲーム雑誌って、意外に少ない。
アゲインストザオッズくらいなら手頃かと思ってみたが、プレイ消化数が意外に少なくて、ちょっと歪みがあるかも。
●シェンノーツ最初の戦い
これは申し分なく傑作。
空戦ゲームと言う表現は、昔は結局のところは戦闘機同士のドッグファイトゲームだった。そうではなく、空戦の意義は制空戦闘を踏まえた上での地上攻撃任務と迎撃にあると言うことは、近年の「バーニングブルー」や、本作が登場するまで十分には表現されていなかったように思う。
●グエラアムエルテ
南米史を題材にするゲームは、従来は非常に少なかったと思う。特に独立する南米諸国側の視点に立つゲームとなると、さらに探すのは困難。
そんな中、中南米の独立の父であるシモン・ボリヴァルを中心に、中南米の独立の戦いをナレーティブに描いた本作の意義は非常に大きい。ストーリーテリングなゲーム展開の魅力と併せて、もっと高く評価されて良いと思うが、日本では売れない題材の筆頭か?
●ブーディカ
リメイク作品と言うことで弱いが、迷った末に入れた。古代戦、それもカエサルでもアレクサンドロスでもハンニバルでもない題材のゲームは少なく、そこに傑作を見出すのは非常に難しいから。ATO編集部は、良くぞこのゲームのリメイクを企画に採用してくれたと思う。
●フライングバッファロー
四天王マーケティングの難点ですが、4人目に苦労する。無理に4人にする弊害。
だいぶん他の3作より見劣りするかも。本当は「ヘゲモン」とか「ケッセルシュラハト」とかを消化して傑作だと推せれば良いのだが。「フェイタルアトラクション」と「ハンガリアンナイトメア」がコケたのが痛い。
シェンノートの所で書いた「昔ながらのドッグファイト系列のゲーム」。ただ、題材が他では見掛けないソビエト機中心と言うのが魅力。また、シリーズ準拠だが簡易版になっていてプレイアビリティが高いのも長所。それでも上下運動に関しては「エアフォース」より細かい部分もあったりして侮れません。
筆者はこのゲームをプレイしてからLaGG3を贔屓になった。最終的に連合軍が物量で勝ったと言う理解に立てば、数を揃えて終戦まで飛んだLaGG3はソビエト空軍の立役者だと思う。そりゃあ、メッサーやスピットと比較するのは無粋と言うもんです。比較相手はフィンランドバッファロー