年末に「ベイマックス」を見たのですが今一つだったので、改めて「バンクーバーの朝日」を見てきました。
WW2直前のバンクーバーの日本人街が舞台で、中心はその野球チーム朝日です。
体格差で圧倒されてばかりの朝日が、セーフティーバントと走塁で敵を攪乱する戦術で勝率を上げ、一躍、優勝を争うようになります。
その一方で日中戦争の泥沼化でカナダ人の日本人差別は徐々に厳しくなっていきます。そして、真珠湾奇襲の直後、日本人は敵性国民として収容所に送られ、結局、出てくるのは1950年になってしまうというエンディングです。
それでも60年掛けて朝日の名誉は回復され、カナダの野球殿堂入りしたと言うエピソードと共にエンディングに入り、朝日軍に所属した実際のメンバーリストが流れます。
テレビシリーズの「ジャパニーズアメリカン」程に描写は緻密でなく、エピソードも深刻でもありません。むしろ野球映画としての側面が強く、明るく楽しく見られる展開です。ただ、そんな中でも主人公の妹が奨学金を外されたり、ホテルに勤めていた三塁手が一方的に解雇されたりと、戦争の足音は着実に忍び寄ってきます。
抜群の出来栄えと言う訳ではありませんが、戦争が様々な側面で人々の人生に影を落としたことを改めて見直す機会になる作品だと思います。もっと客の入りが良くても良いのになと思いながら、幅の広いプレミアムシートで見てきました。