☆コロンビア・ゼロを読む

bqsfgame2015-09-20

谷甲州の航空宇宙軍史再開。
本屋で見つけて買おうかと思ったが、辛抱して図書館で順番待ち。どうせなら全部文庫に統一して揃えたいから。
いや、さすがの仕事。申し分なく宇宙SFの醍醐味を味わえる。
亡くなられた越田先生と、「航空宇宙軍史はもう出ないのでしょうか?」と話した時に、KOSさんの答えは「あそこ(終りなき索敵)までやったら、もう書くことはないでしょう」という意見だったのを思い出す。いま越田先生が存命で、これを読んだら何と言われるだろうか。
7本の短編からなるが、基本的に第二次外惑星動乱の開戦に至るまでの蠕動を描いている。
外惑星動乱後、解体した外惑星艦隊の負荷も請け負い、疲弊した艦隊の再編を行い、あまつさえ星系探査まで手を広げた内惑星連合。そのオーヴァーロードの隙を突いて力を蓄えた土星系を中心とした新外惑星連合という構図。
特に戦勝国の管理下で新技術や新艦隊を秘密裏に準備する機密開発テクノロジーSFとしての側面が個人的には興味深い。
出てくるものは、そうか此処へ繋がるのかと思う懐かしい物が多いので、シリーズファンの方はお楽しみに。
人物名も、どこかで聞いたような名前が多くて、血族なのか、まさか本人のクローンではあるまいなと勘繰らせてくれたり。