サギデカを見る

今期の本命と目していましたが、その期待に違わぬ見応えのある短期集中ドラマでした。

振込め詐欺の担当刑事と、摘発されたかけ子の青年。

それに加えて、かけ子の上司の店長、その上司の番頭、その上の首魁。そして、ブレインである男。

このブレインの男と、担当刑事が偶然に出会う所が第一回にあり、二人が互いの正体を認識して出会うことがあるのだろうかとドキドキさせてくれました。

最後の最後に、二人は取調室で会って会話することになりますが、そのヘヴィーなこと。

木村文乃は、「99.9%」や、WOWOWなどで重い十字架を背負った役を演じるようになって良くなりました。本作は、そのマイルストーンとなり、代表作の一つになったのではないかと思います。

かけ子の青年を演じた高杉真宙も難しい役を演じきりました。青木崇高は、言わずと知れた芸達者ですが、善人の部分と、ドライで非道な部分の割合が難しい役を上手く演じていました。

最後の最後に刑が確定したかけ子と面談するシーンが、木村にとっても高杉にとってもクライマックス。思えば最初に、ゴミ出し場所で「おはようございます」と挨拶した時から、二人ともどれほど遠くへ来たことか。第一回の最後の確保シーンで目を合わせた時に、木村を認識した高杉が「おはようございます」と言ったのも遠い昔です。

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たった5回だったのにブラックホールのように高密度のドラマでした。ここに吸い込まれた経緯や情念は、どこへも行き場がない印象です。

早々に再見する予定でいます。