今月のメインディッシュです。水戸爺さんと。
全体の所感としては、割と良くできているのではないかという感想戦となりました。
チットプルアクティベーションはどうしても時間が掛かるのですが、これはハーフマップでユニット数も少なく、まぁプレイアブルと言って良いです。
次のターンに引くチットをお買い物するシステムは、その昔に自分でも思いついて作ろうとしたことがあり親近感を持ちました。
チットごとのできることの違いが明確に差別化されているのが本作の最大のグッドポイント。
4点で買うブリッツと、3点で買うアサルトの2つでしか攻撃が実施できません。ブリッツでは装甲部隊がオーバーランをできるのがポイント。ドイツとしてはブリッツが是非とも買いたいのですが、軍集団が4つあって、4つチットを買う義務があり、一番安いホールドでも1点ちゃんとするのが問題。予算が天候にも依りますが、8~12点。中間的な10点だとしても、北、中央、南の三軍集団で普通に攻撃しようと思うとアサルト3枚で9点。最後の一枚はホールドになり、攻撃できません。
ブリッツを買うためには、さらにアサルト1枚をホールドに値切らないと予算が捻出できないわけです。ブリッツの効果と、軍集団が2個攻撃停止になるデメリットを計りに掛けて判断することになります。
で、この判断が難しい。今この瞬間の各戦線の情勢は見えていますが、実際に運用するのは次ターンなので次ターン開始時点で盤面がどう動いているかは推定で動かざるを得ません。ブリッツを仕込んでおいても、オーバーランできるような相手がいないことも起こり得ます。森や荒地にはオーバーランが掛からないからです。
ホールドは消去法的に選ばざるを得ない局面が多くなりますが、割と使い勝手は良くて前進も接敵もできます。ただ、攻撃はできません。
もう一つ撤退というのがあるのですが、これは後退するか、防御効果のある地形に入るように移動するかしかできません。ただし、敵ZOCから離脱するコストが下がる利点があります。ソビエト側は戦線整備の目的で買うことになります。2点。
ソビエト側には買って配置するこれら4種の他に、最初の3ターンに強制的にカップに入れられる反撃というのがあります。反撃が出ると、どの方面軍に振り当てるかはダイスでランダム決定。で、割り当てられてしまうと、その方面軍のユニットはもっとも近い枢軸軍ユニットに接敵して攻撃する義務があります。ただし、この時は反撃CRTという結果がドラスティックではないCRTを使用するので、いきなりAEとかになったりはしないようになっています。
ただ、この反撃が本当に反撃が有効な局面で出ればラッキーですが、後退したいタイミングとかで出ると逃げ損ねて包囲されたり、食わなくてよいオーバーランを食ったりすることも。
チットを買う予算のdrと、反撃の出方によって、プレイヤーの意図が崩壊することも多く、割とフラストレーティングなゲームではありますが、ゲーム的には面白いです。
両軍ともに司令部が現場に対して適切な作戦指示をしたとは言えない独ソ戦序盤の再現としてはそれなりそれらしいかなという感じです。