ジャイアント・キマラ死す

This week WWE の冒頭にて報道されて知りました。

ウガンダ大魔神こと、初代のジャイアント・キマラです。

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70才だったそうで、1980年頃のデビューですから、遅咲きだったのですね。

初物に弱いことで定評のあったジェリー・ローラーを倒して出世しました。もともとはベビーフェイスだったと言いますから、最初のマネージャー(なんとポール・ベアラー)は見る目がなかったのか。

ペインティングレスラーの流行していた時代ですが、顔ではなく、どちらかと言えばボディペイントが目立ちました。

悪役を育てるのが上手い鉄の爪王国に入ったことで順調に出世し、WWFの全米侵攻の時期には、NWA側の主力を務めていました。

ご存じの通りの団体戦争の結末となりWWF入り、シカ・アノアイと組むなどして活躍。王者ホーガンにも挑戦。後発のキマラ2世ともタッグを組みました。

アンダーテイカーとも抗争し、今では定番である棺桶マッチで埋葬された第1号ではないかと思います。

2011年に糖尿病で足を切断したそうで、以後は闘病生活だったとのこと。

不器用な選手でしたが、巨体ながらも動きが速く、なかなか侮れない実力者だったと思います。ちなみに、ウガンダ出身はもちろん嘘です。本当はミシシッピの配管工だったそうです。

ご冥福をお祈りします。

やまとなでしこを見る

押尾学問題で、再放送不可能と思われていた「やまとなでしこ」がダイジェスト版ながら再放送されました。

第一夜だけ家内が録画したので見たら、やはり面白い。と言うことで、第6話から後はDVDボックスを出してきて見ました。

筆者は必ずしも松嶋ファンではありませんが、この作品の彼女は本当に魅力的です。北条司がキャッツアイの時に言っていた、「カッコ良くて(瞳)、可愛くて(愛)、色っぽい(泪)のが一人の中に同居しているのが理想の女‥」と言うのに、かなり近い線を言っています。

少し桜子用に言い換えると、

生意気で、可愛くて、意地らしいという感じでしょうか。

 

中でも名場面と思ったのは、

第9話で、桜子の父が登場した時に、お父様を買い替えたいと言った桜子を欧介が引っぱたいて叩き返されるシーン。

その後のバス停で父を送り出した後に桜子が「このまま十秒だけ」と言って欧介の肩を借りるシーン。

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そして、10秒で本当に立ち直って、「ありがとうございました」と言って何もなかったように去っていく場面。

そして、最終回、欧介の壮行会で粕谷の絡み酒についに切れた桜子の長台詞。

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「バッカじゃ中目黒、ナニ祐天寺。

こんな人に走ったなんて、神野桜子、一生の不覚です。

なにがニューヨークよ、なにが数学よ。

この人はね貧乏が趣味なの、貧乏が生き甲斐なの、貧乏でないと生きていけないの。

お金しか愛せない私を歪んでいるっていうけど、この人だって同じくらい歪んでんじゃない。

結論から言いますと、お互いの歪みを強調するだけで、もっともご縁のない相手だったんです。

NYに行ったってどうせ逃げて帰ってくんじゃないの。

とっとと行っちゃえ。行くなら一生帰ってくんな。」

 

欧介の胸倉を掴んで

 

「今度は、絶対逃げんなよ!」

と言うシーンです。

 

イスタンブール・ビッグボックスを入手する

少し前に山田さんから、最近、ユーロゲームをやっていませんねと言われて、そうだなぁと思ってオークションを眺めていたら、以前にも買う寸前まで行ったイスタンブールのビッグボックス日本語版が出ていたので入札しました。

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家の事情もあるので、そこそこで入札して競り負けたら縁がなかったものと諦めるつもりでしたが、さして上がらず落札。なんとなく、出来の良いユーロの日本語版が、こんな値段でやりとりされているのは、悲しいような気もします。

作者は、「ゴア」、「ルイ14世」などのリューディッヒャー・ドーンです。

ゲームシステム的には、ワーカープレイスメントのヴァリエーションで、例によって複雑なガジェットを数種類のっけて勝ち筋が見えなくなるようにしてあります。この辺りの重い方向のデザインスタイルは、「誰とでもできる」、「その場でインストできる」ゲームだったユーロのマニア閉塞化を招いている気がするので、評価は微妙な所です。

まぁ、実際にゲーム会に持ち込んで稼働できれば特に問題ないと思っていますが。

レッドプラネットを見る

WOWOWです。

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火星の映画と言うと、「オデッセイ」の出来が良かったので、他の火星映画は中途半端に科学的だと却って見劣りするようになった気がします。

本作は、それなりに科学的なギミックもいろいろと持ち込んでいるのですが、割とアラビアンナイトみたいな感じにしか見えません。

あと主人公2人以外のメンバーの使い捨て方がひどくて、2人が無事帰還の途についても、なんというか安堵感とか達成感とかが個人的には感じられませんでした。

これはもう一回見ることはないだろうなと思いました。

残念なお知らせあり

たかさわさんから、本年の猿遊会は見合わせるという残念なお知らせがありました。

年に一度、猿遊会でしかお会いしない方もいたりするのですが、今年の状況下では止むを得ないでしょう。

来年と言わず、また皆で集まっていろいろなゲームをできる日が来ることを祈念して終わります。

https://gameape.exblog.jp/29165418/

ゲームジャーナル76号を入手する

独眼竜政宗」です。

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戦国群雄伝の再版も此処まで来ました。逆に「信長風雲録」が積み残しになっていますが、どうするのでしょう。

私事ですが、本号をもって21年間、連載させていただいた「B級SFゲーム分科会出張所」を終了させていただきました。長らくのお付き合いありがとうございました。

最後は「B級」らしいものをと思っており、当初の予定通り(?)「外宇宙からの恐るべき緑のもの」としました。実は、これに繋げるべく前号は「スナイパーバグハンター」を選んだのですが、迂遠すぎて、こうしてわざわざ書かないと意図が伝わりません(苦笑)。

昨年末に話題にした通り、第1回は同人版「草燃える」の号で、お題は「フリーダム・イン・ザ・ギャラクシー」でした。思えば遠い遠い昔です。

編集部には想定外に細かいことでいろいろ注文をいただきましたが、大筋としては好きなように書かせていただきました。たいへんありがたいことです。

ちなみに次号は、ガダルカナルものの2in1だそうです。

〇ティモシー・アーチャーの転生を読む

ディックの(当初の)遺作です。

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ヴァリス3部作の最後とも言われますが、それほど3作の間に緊密な構造関係は感じませんでした。

世界的な宗教家、ティモシー・アーチャーの義理の娘であるエンジェル・アーチャーが視点人物です。

彼女が、夫であるジェフ・アーチャー、友人であるキルスティン・ルンドボルグ、ティモシー・アーチャーの3人の死を振り返って後悔する独白小説。

山形訳のリーダビリティは快適ですが、上記のようにお話しがお話しなのでワクワクドキドキとは行きません。

アーチャー主教には実在のモデルがいるそうです。エンジェルとキルスティンは例によってディックの彼女たちがモデル。キルスティンは、エンジェルが主教に紹介したのですが愛人関係になってしまいます。で、ジェフは彼女に気があって、主教はエンジェルに気があったのだそうです。なんと面倒くさい狭い人間関係。

アーチャー主教が出てきて、しかも転生するというので、宗教色は強め。代わりにSF色は弱めです。

面白かったかと聞かれると、答えに窮する感じです。つまらなくはないし、軽快に読めるのですが、では近い将来に再読するかと言われるとそれほどでもない。

山形新訳のディックは、暗闇のスキャナーから本作までの4作以外に「死の迷路」が出ています。これもちょっと山形訳で読んでみたいでしょうか。サンリオSF文庫の立上げ直後の飯田役をすすきのの旭屋書店で買って読んで以来です。