オペレーションワールウィンドを入手する

これもヤフオクです。

ブライアン・トレインの1956年のハンガリー危機、ブダペストです。

もともとはマイクロゲームデザイン。RPG系のファイエリードラゴンに移って、この版が一番コンポが良いそうです。で、最近、ワンスモールステップのフォリオに。

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この画像の品は、ブライアンがDTPで自費出版したもので要工作です。これも冬休みの宿題ですね‥(^_^; ワンスモールを買うのだったか未だ迷いあり‥(^_^; 西インド諸島と同じ方だったので、実質送料なしなので思いきりました。

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BGGでコメントを読むと、かなり評判が良いので楽しみではあります。

千葉会:五代(ダイナスティ)を対戦プレイする

 古代中国の地政学マルチと言うと、日本では三国志が圧倒的です。2世紀から3世紀になります。項羽と劉邦はさらに古くて紀元前3世紀くらい。
 五代はだいぶ新しくてどこを起点に取るかは議論があるようですが、だいたい9世紀ころのようです。
 ベストセラー小説がないので知名度はがくんと落ちてしまいます。そのため、ゲームに採り上げられる機会も日本でさえ少なくなります。アメリカではもっと機会が少なくなり、古代史ゲーム・デザイナー最右翼のバーグ先生でさえ、多分、初めてゲーム化したのではないかと思います。
 プレイ人数は3ないし4人です。マルチゲームとしては非常に人数の融通性が低くなっています。
 プレイヤーの一人が最初の皇帝(唐の最後の皇帝と思われます)となります。他のプレイヤーは、軍閥となります。
ヒストリカル性はアバウトで、プレイヤーは自身の本拠地を盤上で自由に決められます。

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 最終的にはVPを争うゲームですが、それとは別に各プレイヤーは自身の状態を示すパラメーターとして皇帝は天命値(MP)、軍閥は勢力値(PP)を持っています。
面白いのはMPとPPの増減の仕組みが異なることです。
 PPは非常に判りやすく、新領地を得ると1PP上昇します。中国は複数の領土で省を形成しているので、ある省を完全制圧すると2PP上昇します。省の支配が崩れると-1PPですが、領土を失ってもマイナスにはなりません。軍隊を購入すると-1PPです。自分の領地に徴税すると-1PPです。
 MPは皇帝の人徳のようなもので性質が異なります。公共事業(長城、運河)の建設を行うと1MP上昇します。軍隊を購入すると-1MP。全国的に徴税できるのですが、それをやると-2MP。領土を取ってもプラスにならないのが重要です。全国的な災害イベントが起きると皇帝のMPだけが下がります。
 さて、勝敗はVPを争います。皇帝は皇帝として新しいターンを迎えると1VPを得られます。これは皇帝になったターンにはもらえません。また、皇帝が交代すると、新皇帝は5VPもらえます。それ以外に学者イベントカードをプレイすると1VP、皇帝交代時に現金をいちばんたくさん持っていると1VPです。
とにかく皇帝になるのが大きいので、誰もが皇帝を目指しています。
 現皇帝を倒すには二つの方法があります。
 第一は、皇帝のMPが誰かのPPを下回ると王朝は動揺状態となり、この状態であれば軍閥は誰でも皇帝に挑戦できます。挑戦すると、自軍のMP/PP+1drを比較し、挑戦者が上回れば新皇帝となります。
 第二は、MPなどの状態に関係なく、皇帝の本拠地(宮殿)エリアを攻撃して陥落させることで皇帝となれます。ただし、宮殿には防御効果があり皇帝は宮殿にいる軍隊数+2drで攻撃側の軍隊+1drと対決します。
 この第二の方法はPPの状態によらないので、とにかく皇帝になりたい時にはこちらを利用します。ただし、攻撃側は1エリアから進軍するのでスタッキング制限(6個)の縛りを受けます。さらに、防御効果もあるので、こちらで勝つ方が大変です。しかし、徳の高い皇帝が安定してしまうと、これに頼らざるを得ません。
皇帝のMPは比較的上がりにくいのですが、初期には公共事業の余地があるので初代皇帝を倒した二代目皇帝は、長城の建設に励んで徳を上げます。また、皇帝はイベントカードを引き、これを軍閥の誰かに下賜するのですが、この時に競りに掛けて賄賂を取れます。これをやると-1MPです。

 今回のプレイではDRAGOONさんが初代皇帝になりました。
お金がないというので、上記の賄賂を取り、課税もします。すると、見る見るMPが下がっていき、あっという間に王朝は動揺状態に。
さて、ここで誰が挑戦するかが問題なのですが、皇帝がお金に困っているのを見て、まずお金を軍閥でいるうちに蓄積してから皇帝になろうと、みな挑戦を先送りにして徴税に励みます。
 そうこうしている内に、イベントで旱魃(1ターン、誰も徴税できない、皇帝は-1MP)、災厄(全員が領土数×2両を失う)が相次いで起こって皇帝の威信は地に落ちました。この状態であれば誰でも挑戦すれば勝てるのですが、トンデモさんと筆者は旱魃の損害を徴税で埋めることを選びます。鮫さんがついに意を決して挑戦し第2代皇帝となりました。
 皇帝になると自身のPPをMPとして継承します。現金は半分失います(これが問題で、みな皇帝になる前に徴税に走ってしまう)。鮫皇帝は北方侵入者に備えて長城を築いて徳を高め、結果として条件1による挑戦は事実上封殺されてしまいました。ここで昼食休憩だったかと思います。
 昼食後は、捲土重来を期すDRAGOON軍と、筆者の軍が、鮫皇帝の新宮殿へと大部隊を用意して進軍を開始します。
 このために用意して置いたイベントカード(戦略再配置)を匪賊カードでDRAGOONさんに引き抜かれてしまい、筆者の軍は宮殿の2マス前で急停止。そして、DRAGOONさんが第3代皇帝となります。
 しかし、徳が低くて初代皇帝の座を追われたDRAGOONさんは条件1による挑戦を受けやすく、ここで伏兵トンデモさんの挑戦を受けてたちまち皇位から転落します。
筆者は条件2による王都進撃を目指しているのですが、目の前にあった王都が、皇帝交代によって次々に移動してしまい王都進入を果たすことができずに悶絶します。
結局、恒例の年末オークションの時間も迫る中、三度目の皇帝になったDRAGOONさんの王宮に辿り着くことができ、ようやく皇帝になりました。

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 ゲームの勝敗的には善政を敷いて長期政権を築き、さらに二度目の皇帝にもなった鮫さんの勝利となりました。
 プレイ感は比較的軽いです。
 その最たる理由は、領土を取られてもマイナスにならないので、二人で同じ領土を取り合っていると二人ともPPが上がっていくので侵略されても恨みを買わないのです。
皇帝挑戦の仕組みは、本ゲーム独自の味になっていて上手く機能しています。一旦、皇帝が変わりだすと、どんどん入れ替わっていく辺りの感覚は独特の面白みがあります。
バーグ先生、70代になっても、なかなかやってくれるじゃないかと思います。
2023年3月にバーグ生誕80周年記念で再戦しましょうか?

千葉会:バーグ大先生の遺作?

DRAGOONさんのお声掛けで、バーグの遺作(?)、五代十国をDRAGOONさん、鮫さん、トンデモさんと4人(満員)で対戦して来ました。
事前にご用意いただいたルールを読んだ感じでは、少しルールが柔らかい感じを受けました。しかし、実際に対戦した感想としては、意外なほどちゃんと機能していて、過不足ないゲームシステムと感じました。
多作なバーグ先生の中でも、かなり高評価を付けられる作品かと思います。

Richard Berg - Alchetron, The Free Social Encyclopedia

バーグ先生は2019年に亡くなられました。76才、喜寿を前にして亡くなられました。
フェイスブックの友人なのですが、誕生日は3月10日(1943)だそうです。2023年3月には、生誕80周年記念日を祝えることになります。
BGGで所有者数でソートすると、一番所有者が多い作品はAH末期の「ブラックベアード」でした。これには新版(GMT:2008)もあるので、合計すると6700くらい所有登録があります。ウォーゲーム全体で見てもトップクラスの売れ行きでしょう。そうか、そうなんですか。ちょっと意外です。以下、「SPQR」、「指輪戦争」などが並びます。ここらへんはナルホド感あります。
ニューヨーク生まれで、ニューヨークで学位を取り、ニューヨークにあったSPIに就職し、ミスター・ウォーゲームと言うべき活躍をしました。実に14回もチャールスロバーツ賞の様々な部門賞を受賞しており、殿堂入りも果たしました。
初めてのチャーリーは、南北戦争のTSS、二度目が指輪戦争、三度目がウェストエンドのサウスマウンテンです。5度目がSPQR。最後は2006年のATOのゴールデンホード(クリコヴォ1380)でした。そこからさらに13年も活動したのですから恐るべきという気がします。
伝説的なデザインとしては、SPI最大のゲームと言われた「キャンペーン・フォー・ノースアフリカ」です。推定プレイ時間1500時間と言われ、プレイ人数も7名以上が推奨されています。北アフリカ戦全般のゲームですが、登場するパイロットに歴史的固有名が入っているというのは、驚くべき情報量です。ただ、ユニット数は1600しかないので、意外にコンパクトという見方もできなくはありません。
英語版ウィキペディアには、バーグ先生はもちろん、CNAも独立項目として紹介されています。結局、出版前にはプレイテストが終わらなかったと書かれており、さもありなんと思います。

長くなってしまったので五代の話しはまた明日。

☆タナトス戦闘団を読む

カリスト」からは間を開けない方が良いかと思い、一気にタナトスへ雪崩れ込みました。
カリスト」では、アナンケ基地接収作戦を開戦劈頭に実施する予定でいました。
ところが、いざ開戦が近付き、主戦派が主導権を握ると、なんと月面の地球・月連合の工場群を攻撃する作戦が浮上します。そのための事前諜報活動にダンテ隊長自ら月に潜入する処から話しは始まります。

タナトス戦闘団 (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 289) | ジグソー | レビューメディア

今回もシリーズの先々に向けて登場人物を整理しておきましょう。

ネタバレを含みますのでご注意ください。


外惑星側
ダンテ隊長
言わずと知れたタナトス戦闘団隊長。
しかし、今回は月面のセントジョージ市に潜入調査して、スパイとしては素人だということを露呈し、捕まって薬物尋問で徹底的にやられてしまい悪夢を見るようになる。
柏崎中佐
セントジョージ市のカリスト代表部に勤務する駐在武官
同じカリスト軍所属ではあるがスパイとしてあまりに無警戒な振る舞いをするダンテを非常に迷惑に思って非協力的な態度を取る。
しかし、その実はダンテを利用して警務隊にダミー情報を掴ませようと考えていた。これは彼のアイデアではなく上官の指示。
シャンティ
柏崎中佐が使っている市井のエージェント。インド系で、インディアンタウンに一族郎党で暮らしていて、互いのIDを融通しあっており警察に正体をつかませない。
しかし、一連の騒動で、街を離れる決意を固め、ロッドと交渉して緒方優と共にタナトス陸戦隊の脱出に同行させてもらうことを要求する。
ヘルドルフ大佐
航空宇宙軍警務隊大佐。
カリストがなぜダンテのようなスパイのいろはも判ってない人間を送り込んで来たのか意図を測りかねている。その一方でダミーとして使い捨てるには陸戦隊の貴重な士官は、あまりにも大物すぎるとも感じており、月面工場破壊工作への警備にリソースを割くのが良いのか、それはカリストの思う壺なのか判断できずにいる。
ノックス大尉
ヘルドルフ大佐の部下。ダンテの尋問に当る。ダンテの悪夢の登場人物となり、ダンテの恨みを買ってしまう。
緒方優
ヘルドルフ大佐のオフィスで働く現地採用スタッフ。実際はカリストと航空宇宙軍の相互に機密度の低い情報を融通しているダブルクロス
カリストに娘を残してきており、カリストに帰るために航空宇宙軍士官のアンドレーエフ中尉と交際している。
ランス
タナトス戦闘団の副隊長。ダンテの救出に来て、逆に絞殺されかかってしまう。
ロッド
タナトス戦闘団のいわばピックロッカー、ハッカー。ダンテの報復のために、シャンティを捜索するが、どうしても辿り着けず、彼が多人数のシャンティたちの一人であるという真相に辿り着く。

日本沈没を見る

日曜劇場です。

小松先生の「日本沈没」のドラマ化という風には捉えられないように思いました。「官僚たちの夏」みたいと思ったり。「日本沈没2」って、こういう話しだったっけと思って実家から発掘してきましたが、それとも違う。

まぁ、モチーフだけ借りてきたインスパイアードドラマということでしょう。ウィキペディアでも、小松左京小説の映像化の所には分岐せずオリジナル項目となっています。適切な処置と思いました。

これはこれで悪くはないから、コメントに困ります。

筆者は小栗旬が割と好きなのです。松山ケンイチは好きではありませんが。中村アン比嘉愛未も好きです。杏は好きではありませんが。

里城副総理(石橋蓮司)がなかなか良かったです。利に聡い自己中心的な政治家として出てきますが、彼は彼なりに日本を思っている部分が徐々に出てきて役にもドラマにも深みがありました。中国との交渉で活躍し、ところが後ろから矢を撃たれる形になりながらも最後まで日本のため交渉し抜きました。石橋のベストパフォーマンスと言って良かったのではないでしょうか。

トヨタ自動車をモチーフとすると明白な生島自動車の生島社長(風間杜男)も重厚なパフォーマンスでした。移民枠確保のための取引材料となることを承諾しつつも、自社社員の未来を最後まで良くしようと努めるのは経営者像として魅力がありました。

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西インド諸島作戦を入手する

ヤフオクです、千葉会オークションに非ず。

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ファイアファイトゲームズのDTP。

問題児ペリー・ムーアです。

西インド諸島作戦と聞いても全然思い当たりません。

1942年と聞いて、WW2だとは判りますが、そんな所で誰と誰が海戦したのだろうと依然として腑に落ちません。

ドイツのUボートによるドラムビート作戦のクライマックス時に並行して行われたカリブ海でのUボート作戦なのだそうです。さすが、ペリー・ムーア。

ドラムビート作戦とムーアと言えば、こちら。

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そうかという感じです。

どうやら同じシステムらしいので、西インド諸島が面白かったら、いまさらですがパウケンシュラークを探すかも(苦笑)。ずっと書泉に売れ残っていた分はどうなったのでしょうか? クロノさんにも残っているようなので、渡辺さんから買うのが義理人情というものでしょうか。

本作に戻って、工作の時間が必要なのはちょっと残念な所です。冬休みの宿題と言う感じでしょうか。

今年の囲碁界を振り返って

棋聖戦:井山4-1河野
十段戦:許3-2芝野
本因坊戦:井山4-3芝野
碁聖戦:井山3-2一力
名人戦:井山4-3一力
王座戦:芝野3-1許
天元戦:関3-1一力


こうして7大タイトル戦をまとめると、なんと一力が3つも番碁に敗れていることが目立つ。名人戦で先に王手を掛けながら逆転負け。年末には虎の子の天元位を伏兵の関に奪われて再び無冠に戻ってしまった。
一力の実力は間違いないにも関わらず、どうしたものか国内タイトル戦での実績に繋がって来ない。井山と同時代に生まれた不幸はあるにしても、勝負師として勝負弱いと言われても止むを得まい。
反対に井山は、本因坊戦名人戦ともカド番に追い込まれてから鬼迫の逆転勝利で大三冠を守った。碁聖戦も含めて3つの番碁が全て最終局まで行き、その全てに勝利した。こういう「大事な碁を勝ち抜く力」で他の追随を許しておらず、まだ時代は続きそうだ。

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逆に関は、新人王奪取、4段昇段から一気にタイトル挑戦・奪取へと結びつけた。こういう「チャンスに強い者が真の王者への道を歩んでいく」というのは歴史の示す処。裏を返せば、一力はよほど精進しないと「挑戦王」で終わる道を歩みかねないと不安を感じさせる。
芝野虎丸は十段で敗れたが王座で仇を撃った。こうした「借りはすぐに返して苦手を作らない」ことも勝負師としては重要だと思う。その意味では王座戦で一安心させてくれた。
番碁に出られなかった中では、関西棋院のエースとなった余がいつタイトルに辿り着くかも気になる。最年少新人王になり棋聖戦本因坊戦で順調にリーグ入りした大西龍平も来年あたりは番碁に登場したい所だろう。
この他では3大リーグ入りが見えてきた女流棋士群の中で、誰が高いハードルを最初に飛び越えるかは引き続き注目。藤沢、鈴木、上野、謝に菫ちゃんを加えた5人の中からそろそろ突破者が出そうだが‥。