千葉会:五代(ダイナスティ)を対戦プレイする

古代中国の地政学マルチと言うと、日本では三国志が圧倒的です。2世紀から3世紀になります。項羽と劉邦はさらに古くて紀元前3世紀くらい。
五代はだいぶ新しくてどこを起点に取るかは議論があるようですが、だいたい9世紀ころのようです。
ベストセラー小説がないので知名度はがくんと落ちてしまいます。そのため、ゲームに採り上げられる機会も日本でさえ少なくなります。アメリカではもっと機会が少なくなり、古代史ゲーム・デザイナー最右翼のバーグ先生でさえ、多分、初めてゲーム化したのではないかと思います。
プレイ人数は3ないし4人です。マルチゲームとしては非常に人数の融通性が低くなっています。
プレイヤーの一人が最初の皇帝(唐の最後の皇帝と思われます)となります。他のプレイヤーは、軍閥となります。
ヒストリカル性はアバウトで、プレイヤーは自身の本拠地を盤上で自由に決められます。

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最終的にはVPを争うゲームですが、それとは別に各プレイヤーは自身の状態を示すパラメーターとして皇帝は天命値(MP)、軍閥は勢力値(PP)を持っています。
面白いのはMPとPPの増減の仕組みが異なることです。
PPは非常に判りやすく、新領地を得ると1PP上昇します。中国は複数の領土で省を形成しているので、ある省を完全制圧すると2PP上昇します。省の支配が崩れると-1PPですが、領土を失ってもマイナスにはなりません。軍隊を購入すると-1PPです。自分の領地に徴税すると-1PPです。
MPは皇帝の人徳のようなもので性質が異なります。公共事業(長城、運河)の建設を行うと1MP上昇します。軍隊を購入すると-1MP。全国的に徴税できるのですが、それをやると-2MP。領土を取ってもプラスにならないのが重要です。全国的な災害イベントが起きると皇帝のMPだけが下がります。
さて、勝敗はVPを争います。皇帝は皇帝として新しいターンを迎えると1VPを得られます。これは皇帝になったターンにはもらえません。また、皇帝が交代すると、新皇帝は5VPもらえます。それ以外に学者イベントカードをプレイすると1VP、皇帝交代時に現金をいちばんたくさん持っていると1VPです。
とにかく皇帝になるのが大きいので、誰もが皇帝を目指しています。
現皇帝を倒すには二つの方法があります。
第一は、皇帝のMPが誰かのPPを下回ると王朝は動揺状態となり、この状態であれば軍閥は誰でも皇帝に挑戦できます。挑戦すると、自軍のMP/PP+1drを比較し、挑戦者が上回れば新皇帝となります。
第二は、MPなどの状態に関係なく、皇帝の本拠地(宮殿)エリアを攻撃して陥落させることで皇帝となれます。ただし、宮殿には防御効果があり皇帝は宮殿にいる軍隊数+2drで攻撃側の軍隊+1drと対決します。
この第二の方法はPPの状態によらないので、とにかく皇帝になりたい時にはこちらを利用します。ただし、攻撃側は1エリアから進軍するのでスタッキング制限(6個)の縛りを受けます。さらに、防御効果もあるので、こちらで勝つ方が大変です。しかし、徳の高い皇帝が安定してしまうと、これに頼らざるを得ません。
皇帝のMPは比較的上がりにくいのですが、初期には公共事業の余地があるので初代皇帝を倒した二代目皇帝は、長城の建設に励んで徳を上げます。また、皇帝はイベントカードを引き、これを軍閥の誰かに下賜するのですが、この時に競りに掛けて賄賂を取れます。これをやると-1MPです。

今回のプレイではDRAGOONさんが初代皇帝になりました。
お金がないというので、上記の賄賂を取り、課税もします。すると、見る見るMPが下がっていき、あっという間に王朝は動揺状態に。
さて、ここで誰が挑戦するかが問題なのですが、皇帝がお金に困っているのを見て、まずお金を軍閥でいるうちに蓄積してから皇帝になろうと、みな挑戦を先送りにして徴税に励みます。
そうこうしている内に、イベントで旱魃(1ターン、誰も徴税できない、皇帝は-1MP)、災厄(全員が領土数×2両を失う)が相次いで起こって皇帝の威信は地に落ちました。この状態であれば誰でも挑戦すれば勝てるのですが、トンデモさんと筆者は旱魃の損害を徴税で埋めることを選びます。鮫さんがついに意を決して挑戦し第2代皇帝となりました。
皇帝になると自身のPPをMPとして継承します。現金は半分失います(これが問題で、みな皇帝になる前に徴税に走ってしまう)。鮫皇帝は北方侵入者に備えて長城を築いて徳を高め、結果として条件1による挑戦は事実上封殺されてしまいました。ここで昼食休憩だったかと思います。
昼食後は、捲土重来を期すDRAGOON軍と、筆者の軍が、鮫皇帝の新宮殿へと大部隊を用意して進軍を開始します。
このために用意して置いたイベントカード(戦略再配置)を匪賊カードでDRAGOONさんに引き抜かれてしまい、筆者の軍は宮殿の2マス前で急停止。そして、DRAGOONさんが第3代皇帝となります。
しかし、徳が低くて初代皇帝の座を追われたDRAGOONさんは条件1による挑戦を受けやすく、ここで伏兵トンデモさんの挑戦を受けてたちまち皇位から転落します。
筆者は条件2による王都進撃を目指しているのですが、目の前にあった王都が、皇帝交代によって次々に移動してしまい王都進入を果たすことができずに悶絶します。
結局、恒例の年末オークションの時間も迫る中、三度目の皇帝になったDRAGOONさんの王宮に辿り着くことができ、ようやく皇帝になりました。

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ゲームの勝敗的には善政を強いて長期政権を築き、さらに二度目の皇帝にもなった鮫さんの勝利となりました。
プレイ感は比較的軽いです。
その最たる理由は、領土を取られてもマイナスにならないので、二人で同じ領土を取り合っていると二人ともPPが上がっていくので侵略されても恨みを買わないのです。
皇帝挑戦の仕組みは、本ゲーム独自の味になっていて上手く機能しています。一旦、皇帝が変わりだすと、どんどん入れ替わっていく辺りの感覚は独特の面白みがあります。
バーグ先生、70代になっても、なかなかやってくれるじゃないかと思います。
2023年3月にバーグ生誕80周年記念で再戦しましょうか?