レッドウィンターの残課題として、ソビエト軍のオプション増援である装甲部隊があります。この威力と、VPコストに見合う戦果を期待できるのかの見通しが依然としてないのです。
そこで、戦車1ユニットだけですが固定増援として登場するシナリオ9「ホテルの戦い:戦車による救出作戦」をソロプレイしてみました。
最終日5日目の深夜から昼ころまでの4ターンしかありません。
採石場とホテルを中心とした焦点部分のみがプレイ可能です。
両軍とも砲弾はわずかです。ソビエトにはT26Sが1ユニット、夜明けに到着します。
開始時点ではホテルも採石場もソビエト軍が占拠しています。これをパヤリ率いるフィンランド軍が強襲して奪う場面からスタートです。
ただ、ソビエト軍の人的資源が不足気味になっているとは言え、塹壕を掘って地橋上の拠点を守っているので、それなりに手強いです。しかも4ターンしかありません。
ですので、シナリオの戦略ヒントにもあるように、フィンランド軍は昨日のキャンペーンでは一度も運用されなかった突撃(移動中の攻撃)を使用します。これによって移動中に1回、さらに戦闘フェイズに1回のダブルアタックをすることでソビエト軍がホテルを増強する前に肉薄しようとします。
フィンランド軍は氷結湖を1MPで移動できるので、それを利用してヘヴォサルミ橋を迂回して一気に採石場付近へ突撃します。氷結湖からの攻撃は攻撃力半分ですが、パヤリボーナスと、フィンランド軍戦略転換の2シフトがあるので、2対1から3対1くらいになります。また、突撃は長距離射撃による支援が両軍ともできないので、戦闘比の計算がブレません。まぁ、後はダイス勝負です。
本ゲームは2ダイス解決なので、もともとブレが大きいのです。特に2対1くらいだと、ロウロールでは攻撃側大失敗、ハイロールではまさかの大成功という感じになります。
突撃で湖面から肉薄してやると、それによって戦闘時には包囲修整を得られるので、先の2シフトに加えて3シフトが得られます。深夜に始まるのでソビエト軍の防御支援もそうは当らないので、ある程度は戦えます。
しかし、ホテル奪取まではかなり厳しく感じ、実際、最終ターンまでに採石場は確保しましたが、そこまで。
さらに、ソビエト軍は湖面上のフィンランド軍を蹴散らし、最終ターンの手止まりで戦車を投入して採石場再奪取を果たしました。ソビエト軍は都合33VPを確保し、12VPに留まったフィンランド軍を圧倒しました。
プレイ時間はセットアップこみで2時間くらいでしょうか。
このシナリオは練習用ではなく、既に本作の他のシナリオを経験済みの人に向けてデザインしてあるそうです。なるほどなと思います。
ところで、戦車の威力ですが、やはりかなりのものがあります。
道路網上しか移動できませんが、対戦車砲以外の敵ZOC無視。戦闘や長距離射撃での損害を受けません。参加すれば戦闘に装甲コラムシフトを与えます。本シナリオでは長射程攻撃能力を生かす場面は見られませんでしたが、単純近接支援兵器として考えても十分に強力です。
この時代のT26Sは、後の時代のTIGERや、JS2よりずっと超弩級兵器なのだなと震撼させられます(笑)。