2つの進歩:世界と移動

「タリスマン」と比較される理由は、プレイヤーが個性豊かな冒険者の一人となってファンタジー世界を旅し、そこでカードをめくってアイテムを得たりイベントに出合ったり仲間を得たりモンスターと戦ったりして経験を貯めてレベルを上げ、最後の試練へと向かっていくという基本構造が同じだからだろう。
ただ、ゲームデザイン技術の近年の進歩は目覚しく、「ルーンバウンド」は2つの点で「タリスマン」より大きく進歩していると思う。
一つは「タリスマン」のボードは三重の四角いコースからなるスゴロクチックなものだったのに対して、「ルーンバウンド」のボードはヘクスマップのファンタジー世界の地図になっていること。そして、これに伴ってマップの地形を移動するシステムが導入されていることである。これはファンタジー世界らしさを感じさせる上で大きな進歩だと思う。
ゲームマップは南東(?)に位置する冒険者たちの出発点ヴァイネルヴェールから絶望山脈の北を走る街道を北西へと進んでリバーウォッチからマップ中央の拠点タマリアへと続き、その北を暗がり連峰の西のグレイヘヴンからさらに北へと街道は続いている。マップの地形には都市、平地、街道のほかに河川、丘、森、山、沼などがある。
移動システムは特殊な移動ダイスを振る方式。6面のそれぞれに地形アイコンが2〜3種書かれている。街道や河川は多くの面に印刷されており、森、山、沼は少ない。このため、街道沿いや河川沿いの移動は容易なのに対して、険しい地形でははかが行かず、出目によっては全く進めないこともある。
このマップと移動ルールは、非常にもっともらしく出来ていて「ルーンバウンド」の大きな進歩だと思う。
[つづく]