次は劣化ウラニウム弾‥か?

10年前の対人地雷禁止協定に続いて、クラスター爆弾の禁止協定が結ばれたという。
10年に1つのペースでは、非人道兵器廃絶の道筋はまだまだ遠く長いと言わざるを得ないが10年ぶりに成果が出たことは喜ばしいと思う。
参加したNGOからは「次は劣化ウラニウム弾」という意見が出ているそうだ。ただ、これはちょっと今までの二つと毛色が違うような気がする。
対人地雷にしてもクラスター爆弾にしても、その大きな問題意識は戦時に設置、投下したものが処理されない(クラスター爆弾の場合にはつまり不発弾)ため、戦場が再び居住地になった場合に関係のない民間人に被害が出るという点が痛ましいという議論だったと思う。
それに対して劣化ウラニウム弾は、知らない人が聞くと戦術級の放射能兵器かと思ってしまうが、実際は比重の大きさを利用した対装甲貫通弾であり、タングステン撤甲弾の兄弟分だ。ただ、タングステンは非常に高価なので、原子炉の廃燃料として安く手に入る劣化ウラニウムを使っているという代物。原子炉で一度分解済みなので、残存放射能も大きくなく、米ソの最新鋭戦車が両軍とも劣化ウラニウム弾でボコボコに撃ち合った戦場でも、放射能による健康被害という議論にはならないと聞いたことがある。