カーンをソロプレイ

bqsfgame2008-12-08

いわゆるシャルルマーニュシステムは、4作品が出版されているが「カーン」は現時点までの最終作品。
しばらく前のコマンド誌のモンゴル特集で話題に浮上したこともある。
わたし自身も貴重なモンゴル帝国の盛衰史の全容を描いた作品として入手したのだが、NATO兵科記号のユニットに衝撃を受けてそのままお蔵入りしていた。
しかし、同じシステムのベリサリウスをプレイしたので、この機会に思い切ってやってみることにした。
ルールを読むと、基本的にほとんど同じである。ただし、以下の部分が違っている。
1:モバイルCRTを選ぶためには移動力の消費だけでなく部隊の構成要件を満たす必要ができた
2:戦闘に勝利した時に戦闘後前進が移動力なしでできるようになった
3:撤退することになった兵力が要件を満たしている場合に反撃をできるようになった
4:守備隊がユニットではなくマップ上の都市に付帯する存在としてルール化された
しかし、基本的には同じルールのゲームと言って良いだろう。
ベリサリウスが面白かったので、ついつい期待してプレイしたのだが、これはいただけなかった。
気にしていたユニットの貧弱さは、実際にプレイしてしまえば気にはならなかった。
問題はシチュエーションの方だ。反モンゴルプレイヤーは、西夏ウイグルでプレイを開始するのだが、モンゴルとの力の差がありすぎるため、1ターン目で完全に制圧されてしまう。結果として、税収は入らず、ストラテジムは枯渇したまま新たに買うこともできず、結果として外交活動もできず、軍事活動もできないという何にもできないゲームになってしまう。
モンゴル側が無理なく順に侵攻をローリングしていくと、このシチュエーションがゲームの大半の期間を占めてしまいかねないように思う。
ベリサリウスの反ビザンティンは、常になにがしかの手勢を持ってなにがしかの抵抗ができるように思う。しかし、カーンの反モンゴルには、為す術がないように思える。
結論としてカーンは、モンゴル側の視点で上手に侵攻を経営するソロプレイゲームでしかないように思える。競技用ゲームとしての体をなしていないのだ。これは、「カエサル・イン・ガリア」と同じ問題だという気がする。