ミランダのゲーム打線

bqsfgame2014-02-15

四天王マーケティングも良いが打線も‥と言うお話しがあったので、打線マーケティングも。S&Tでやろうかと思ったが、敬愛するミランダ先生のゲームで第1回。

1番:センター:サイバーノート
悩んだが、やはりSFゲーマーとしては本作をトップに押したい。サイバーパンクと言う架空戦を、それでも説得力のあるもっともらしさで描き出した傑作。ソリテア適性がゼロに近いとか、コンポーネント的にプレイしにくいとか難点もあるが、マイナー雑誌の付録ゲームに、こんなイノベーションを惜しげもなく注ぎこんでしまうのは他のデザイナーには真似ができないだろう。
サイバーネットを走り回る俊足のイメージで1番打者に。
2番:ライト:エカテリーナ
ソロプレイゲームなので弱い気もするが、9人の中にはあっても良いかと。
植民地争奪戦に出遅れたロシアの幾多の対外戦争を、どう計画的にマネージメントして、いくつをクリアするかを考えるグランドデザインのソロプレイゲーム。システム的にはミランダ特有の戦略チット系。
手慣れたシステムで珍しい題材を器用にまとめたイメージから2番打者に。
3番:レフト:ベリサリウス
シャルルマーニュシステムからはベリサリウス。日本人には馴染が薄いが、ベリサリウスは傑出した軍事的天才の一人。その活躍をトラヤヌスの流れを汲むシステムで再現する。ベリサリウスは凶悪な強さだが、敵が多くて東奔西走、最後まで勝ち続けられるかどうかは緊迫感がある。
ベリサリウスの疾風怒濤の進撃からスラッガーのイメージで3番打者に。
4番:ファースト:獅子が船出する時
これはすんなり。植民地交易時代を題材にしたマルチプレイゲーム。どちらかと言うとユーロゲームにありそうなテーマだが、きっちりシミュレーションゲームに仕上がっている。それでいてプレイアブルでエキサイティング。意外とヒストリカルになるのも凄い。こういうマルチを作れる人は業界でも数人しかいない。
骨太の傑作で堂々の4番打者に指名。
5番:キャッチャー:7年世界戦争
第一次世界大戦の前の世界戦争と言われる7年世界戦争の全貌をマルチでプレイする傑作。本作を見ると、獅子が船出する時はフロックではなくミランダの安定したマルチゲームデザイン力の成果であることが良く判る。ノンプレイヤー勢力で中国やインドも登場し、世界全体を俯瞰できるデザインは非常に優れている。
獅子が船出する時に続く強打者として5番打者に指名。
6番:サード:トラヤヌス
ミランダの名前を一躍有名にした傑作。古代人の目から見た古代世界の再現に力点を置いたことで注目された。現代地図から見ると歪んだ世界。道路を離れると、すぐに迷子になってしまう移動ルール。ミランダの定番となったストラテジムマーカーを使用した歴史イベントと戦術意思決定。シリーズ化されたが結局は第1作が一番良かったのではないかと思う。
長打力十分だが、いささか古くなったのは止むを得ないので6番くらいか。
7番:ショート:ノルウェー1940
WW2物もなにか入れなければと思ったが、ほとんどプレイしていない。「ビネガージョーの戦争」が有力と思っているが、未だに消化できていない。やったことのある物の中で一番評価の高いノルウェーを選出した。弱いのは、システムが他のデザイナーの開発したレッドラ系であること。ただ、陸海空の3軍戦をプレイアブルにまとめているのは評価して良いだろう。プレイ報告を見掛けないのは残念なことだ。「フォークランドショウダウン」より良いと思うので、コマンドマガジンに付けませんか? どうですか?
8番:セカンド:ソマリアの海賊
頭数を揃えるのに苦心の選択。現代非正規戦闘をデビュー作「ニカラグア」以来追求し続けているミランダの打線には必須テーマ。その中では、最近プレイして面白かったソマリアを入れて見た。「デシジョンイラク」の方が良いと言う噂を聞くので、入れ替える必要があるかも知れない。
打順とポジションは余り物。
9番:ピッチャー:アメリカ革命:北米の決断
最新のマイブーム。独立戦争のキャンペーンゲームは、アメリカの重要テーマであるにも関わらず意外に少ない。単純な軍事作戦として表現できないからか? ミランダらしい政治、外交要素まで含めてキャンペーンマーカーを多用してプレイするデザインは、題材と良くマッチしていると思う。
自信を持って先発マウンドに送り出すエース級ゲーム。