と言うことで、プレイ内容は悪かった。北軍の大胆な機動でもとから少ない軍団の一個が壊滅の危機に瀕するなど、指揮官としての采配は最悪であった。ところが、それがVP上は反映されずに救われた。
おかしいと思うことは二つある。
第一に、本戦役では北軍はリッチモンドに肉薄することでVPが得られても良いと思う。ところが、本ゲームでは本当にリッチモンドを奪取できない限りに置いては、ほとんど機動で得点を得ることができない。
第二に、したがってVPのほとんどは相手へのダメージによる。ところが、上述したとおり北軍のダメージを2倍に評価するので、攻撃側不利な戦闘システムと相俟って北軍はVP的に勝利することは尋常ならざる難しさである。
本当であれば戦争のこの時期には、南軍の人的資源の枯渇が激しかったので、南軍の損害の方が戦略的には痛かったくらいである。ところが、VP体系は逆になっており、これでは北軍は容易には勝てないのであった。
ここらへん実際に対戦して見て、VPの体系をいじらないと、競技用ゲームとしては問題が大きいのではないかと感じた。
あと戦闘システムが独特の使い勝手だというのは、本シリーズを此処まで何度もプレイしてきて感じるところ。CRTのオッズがどのくらいになるか、相手が何の戦闘命令を出してくるかを予測できれば、防御側はCRTの戦闘激度が攻撃側に都合が悪い列になるように命令を選ぶことで、ボクシングのクリンチのように相手の決定打を防ぐことができる。
これを打破するには攻撃側は4対1以上くらいにオッズを持っていかなくてはならないのだが、今回のように戦力の集中に成功して、敵を補給切れに送り込んでさえ、辛うじて達成できるかどうかだ。また、補給切れの状態を維持するのが難しいため、それすら継続はできない。結果として、たかさわさんが絶妙の大胆な機動で優位を築いてさえも、前半の失点を打開するどころか、むしろVP的には差が拡大しかねないという状況だった。
実際のプレイのパフォーマンス感が、VPの推移に一向に反映されないという点で、なんかおかしいゲームという印象を個人的には強く持った。
フォッグオブウォーのある中でプレイするということ自体は適切だし魅力的でもあると思うのだが、戦闘システムの癖と、VP体系の設定に難があるのだと思う。