「ねじまき少女」がダブルクラウンだったので、改めて調べてみた。
もともとはファン投票のヒューゴーと、作家クラブ選出のネビュラは、作品傾向に違いがあったように思う。けれども、ある時期からダブルクラウンが続出するようになり、二つ別の賞がある意味が急速に薄れ、そのフラストレーションからローカス賞が台頭してきたように感じている。
1965:デューン
1969:闇の左手
1970:リングワールド
1972:神々自身
1973:宇宙のランデブー
1974:所有せざる人々
1975:終わりなき戦い
1977:ゲイトウェイ
1978:夢の蛇
1979:楽園の泉
1983:スタータイドライジング
1984:ニューロマンサー
1985:エンダーのゲーム
1986:死者の代弁者
1998:終わりなき平和
2002:アメリカンゴッズ
2004:影の棲む城
2007:ユダヤ警官同盟
2009:ねじまき少女
1969年から1986年までの18年間で、実に13年間がダブルクラウンだったと言うのだから、二つ別の賞があったと言う認識すら揺らぎかねない状況だった。
近年になって、また両者の傾向は分離してきて、あまりダブルクラウンが出なくなっていたが、ユダヤ警官同盟から二年明けてねじまき少女で再びダブルクラウンとなった。先に決まるネビュラでコニー・ウィリスのブラックアウト/オールクリアーが受賞したが、これがヒューゴーも取れるかどうか?